A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

3000H VC巻く

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修正を試みたが、変形し過ぎて施し用が無い。

そもそもヨークの内径に対して小さくなってしまっている。

VC製作ジグを通して伸びるかも試したが、最早入らない。通らない。

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致し方ない。再製作をする。

オリジナルを静かに解いて巻き直して長さを揃える。引き出し部があるから少し長めにとっておく。

アルテックはウエスタン系だから、使っている線材はアナコンダ電線であろう推測。

これがまた10cm幾らという販売の物だから、キロ買いすると、とんでもない値段になる代物。

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1層目。

この上にもう1層巻き固めたらVCは完成になる。

大凡DCR5Ωから10Ω前後するが、これはコイルの線径の問題とがある。

同じ巻き数でも細い程DCRは大きく、太い程小さくなる。

専ら、インピーダンスZは、周波数によって変化するからDCRはあまり意味はなさそう。高い周波数程、インピーダンスは上昇する。低域程、インピーダンスは下がる。

8Ωという定格は共振周波数で測っているのかも知れないし、100c/sで測っているかも知れない。

コンデンサの特性試験は120c/sなのだそう。JIS規格かな。

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2層目。

1層目から上段に乗せるのが大変。

2層目は何処迄巻けたのか見えないという難易度が高い階層。

でもって、ニスが乾くのを待つ時間があるという…

さて、この径で大きくも小さくも干渉せずヨーク内へと落ちるかどうか…

干渉したら、ガイドを調整して再度巻いて作る。

これを繰り返す。結構途方もない作業である。

 

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良いのが出来た。

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ニスを再度塗布して乾燥。
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VCと接合させる。

位置合わせチェック。
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薄く伸ばした接着剤を塗布、ナットの自重で圧着。

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上手く行った。
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テスト信号を入れてセンターを出す。
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良い位置を出して貼り合わせ。f:id:A2laboratory:20220601120202j:image

聞き比べると、まだニスが完全でないか、柔らかい音がする。音圧は殆ど同じレベルで出ているとテスト信号では感じたが、突き刺さる感が薄くオリジナルの方が音圧が有る。

ATTでバランスを調整してもらう必要がある。

ビビリはなく具合は良い。

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音楽ソースを入れて試聴したが、直した方は音圧が幾分小さいのが目立つ。

もう1本の正常の方が良く鳴り、Tannoyと同時に鳴らして大きい音で鳴るから、95dB/Wはあると推測。

直した方もTannoyよりか少し上回って鳴っている事を感じるから、92dB以上はある事は間違えない。

ウーファーが100dB/Wレベルを使うとハイが大人しく感じるかも知れないから、ウーファーは95dB程のを使って、ハイをATTでレベル調整してもらえたら都合良く行きそうに思う。

 

あまりハイの方は影響が少ないが、マグネットの磁力が落ちている可能性も少なくはなさそう。

磁力が落ちると音圧は下がる。特に低域は磁力が下がってくるとスカスカになる程出なくなって来るから、再着磁をすると音圧も帯域も戻る。

年、数ガウス程自然に抜けても来るが、暑い部屋やマグネットに衝撃を与えるのも、抜けるのを加速させるから、注意が必要である。

ドライバーが吸い寄せられて、パチンと当てるのも叩くのも禁物。

 

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修理した方のZ

0.1V 10kc z7.6Ω 32.4μH
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オリジナル

同じ設定にて z10Ω 33.0μH

 

問題のない事を再度確認して月曜に出荷予定。