昨日の明治時計の分解掃除をする。
調べるとNo.803っぽい。昭和30年代の様である。
香箱入り…そう思っていたが、追い巻きが出来ない香箱らしい…
要は、ただのケースだった。なんだよ見せかけかぁ(ーー;)
文字盤を外すとやはり戦前の金型みたいだ。
菱形にMCとあり、釣り竿アンクルのタイプは昭和元年辺りのと同じ。
裏側。
上板を洗うにも、ゼンマイがケースに収まっていては、具合が悪いから出した。
蓄音器のゼンマイは太いから力があるが、時計のは苦労しない印象である。
結構お疲れの機体かと見受けられるが、ガタをチェックすると、そんなに広がっておらず、タガネで戻してあったから、時計屋に出している様だ。
まぁ40年は前かなぁ。この雰囲気であると。
上から少し油をくれた者が居る様であるが、早い内に私の所へ来たから、再度タガネで叩き戻す必要もまだない程度と診断。
洗い。
真鍮が結構な量削れている。
キラキラした白い点は板が削れて出た真鍮クズである。
割と多く削れていた様だ。この儘使い倒したら、タガネで叩いて戻すかであるが、偏心すると歯も減るから、廃棄に近い。恐らく精度は出ない。動くというだけに近くなる。
こうなってから、復活させるのはコストが掛かる。だから時計屋は言う。“これだったら新しいのを買ってもらった方が安くつきますよ”
自分の歯も磨き粉でゴシゴシと24時間ずっと磨き続けたら、いくら硬いといえど削れるから、神経が出て痛みを伴う程迄削ってしまえば、入れ歯しかないであろう。
歯科医曰く、入れ歯は自前の歯の人と比べて判断能力が劣ろうそうである。
機械も人も大凡同じだという事がよく分かる。
毎年の健康診断は行った方が良い。
内科曰く、バリウムやらはやらなくても、採血をやっておくと大凡深刻かの不良レベルが分かるそうである。
ゼンマイは拭いてみたが、既に拭かれていて綺麗だった。
腕時計のゼンマイはスポンジに滲みしたシリコーン油をポンポンやって香箱へ入れる。
蓄音器は再生中、ゼンマイが広がった時にガシャコンとやらない様に、グリスを塗りながら香箱へ入れたら、更に追いグリスをして、徹底的に安定する様にやるが、最近はグリスを拭いてしまう様で、再生中にガシャンとやって、針飛びを起こすヤベー手入れのクレデンザを見た事がある。スゲー値段が付いていたが、モーターの手入れ不良だから、その価値はケースかサウンドボックスかな。SP盤の溝がダメになるわな。オブジェの方が良い。
置き、掛け時計は、機械油を拭うやり方をやっていると思うが、ゴゴゴ…ガシャン、ガラガラと広がる機体は多いから、それもやっていないか?
案外不適当なのが多いのは致し方ない。
良い状態ならば、そういう異音はしないが。
ただ継ぎ合わせをしたりすると、そこが負荷になるから、ガラガラガシャンは致し方ないか。
大体、今時そんな機体が残っている方が希少な気はするが…切れる場所にも寄るが、継ぎ合わせをやる場合もあるけれども(笑)
乾燥させたら減りチェックをしながら拭いて組み立て。
腕時計の場合はドレッシングの工程が洗い、乾燥の後にあるが、シリコーンかの薄い膜張りと同じ事なのかな。
こういう内情はノウハウだから教えてくれないのが普通だ。
研究せねば。
組み上がり。
風切り車の具合を見つつ、ゼンマイの間にシリコーン油を追い染みしておいた。
ギッチリ巻いてみると掛かりの部分が結構な角度がつくから、8分目よりか前で止めておかないと、金属疲労で止めの部分が破断するかも分からない。
だから欧州のは、香箱を小さく、ゼンマイを多く入れて、巻かれても角度がつかない様にやっている。
これはある程度大きいし、ゼンマイも程々のが入っているから、巻かれると角度がつくのは致し方ない設計か。
まぁまぁ普通な機械だ。
国産的というか、アメリカ方式というか。
ドイツは各社似ている様で独特の金型でやっているから、都度新鮮な印象がある。
掛ける場所確保(^^;;
階段は暗い。いや全体に私宅は暗い(笑)
上下でMeijiが揃ったが、下は渦ボンで本打ではなかったと思う。
これは売ってくれと言われても、譲れないのであるが、動かしてもいないのであるが(^ω^;;)
親戚が戦後すぐの開業時に買った代物だとか。ただoccupiedの表記が無いから戦後すぐ説は微妙。モデルはNo.82っぽい。
それは置いといて、精度が如何程か試運転して良好であれば時期見て売りに出そう。