症状は振り止まりするそうで、ゼンマイ表示が赤くなっているから、巻き足らないのかと思って機械を見ても、ゼンマイは巻かれていたから、どうやら分解済みの組立不良らしい。
明治時計の1ヶ月巻き カレンダーで、後期の品物。
カレンダーもテンション不良で、クルクル回ってしまい、カレンダー送りは機能していない。
なんでそう組んだか....組み立て不良も度が過ぎる。
Eリングは紛失しているし、全体に組み立て不良で、逆に良く動いていたなと感心してしまう(^^;;
機械もバラしたらしく、時報側の合わせが上手く行っていないが、大凡で合わせたらしい。
ナットも緩かったり凄い状態。
上からは油をくれてあって、ビショビショ。
良くあるパターン。
洗い。
お手製ゼンマイ戻し機でゼンマイの手入れをする。
30日巻きだから手で持っていないと横ズレして危険。
8日巻きと違ってかなり長いから場所も食う(^^;;
引っ張り出して拭き掃除してやりグリスをウエスに取って其の儘引きずりながら巻き直す。
蓄音器のゼンマイと同様にグリスアップしてやる。
これをやらない時計屋は多いが、やらないとトルクが一定に保てず、解れる時にゴッゴッゴッ、ガシャンと鳴るワケである。
蓄音器も同様に、再生中にガシャンと音がして酷いと針飛びするなんて事がある。
馴染ませるのに何度か繰り返し、輪っかを掛けて完成。
そんなに汚れていなかったが、広げる時に引っ付いていたから、緩い油をくれてそれが揮発して互いにくっ付き合っていたのであろう。
歯車を検査しつつ組み直す。
動作チェック
時報側噛み合わせチェック
この年代だと竿止めがあるのが普通だが、噛み合わないから何かと思ったら、留め金を逆さに付けられていたから変だったのだ。
元へ戻すと都合良くなった。
機械は組むとカレンダー迄完結する様になった構造であった。
カレンダー送りと24時間送りとで、微妙な連結具合で、調整箇所も特に無く、板金をヤットコで曲げて微調整する。
カレンダー送りは開放にした時は掛け金が跳ね上がって停止するが、爪の板金が曲がり過ぎて掛かりもしない状態であったから、ダメだと外したのか組み間違えて曲げてしまったのか不明。
動作チェック。