A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

F16-1000 Elmo 16mm Sound Projectors.

ネタが前後してしまったが、Junk映写機の修繕をしたので、それを少し触れようかと。

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エルモの8mmは何台か持っていた時期もあり、交換ランプもあるけど、16mmは初めてであるが、まぁ8mmと大差ない構造であろう。

レンズは若干カビているが、前玉なら影響は少ないと思われ。

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相場よりも1/3の価格であった理由は、前も述べた様に、電源のケーブルが欠品、スピーカー線が欠品という事から、超JUNK扱い。誰も手出ししなかったのであろう。

ナナボシのメタコンを挿してみると、丁度良い。

レセプタクルのハウジングはナナボシの物ではなさそうだが、規格が似ていた様である。

稀にキー溝がカマボコ型だったり、コの字だったりして、経は合うのに挿さらないなんて事は良くあるから、この手のメタコンはレセプタクルと共に予備で持っているのが良い。

合わなければ、交換して対応すれば良い。

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電流が幾分多く流れるから、太めの電線を。

ケーブルよりも、航空電子のブッシュの方が高価かも知れない(^^;;
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サプライ側のテンションローラーが、当てたのか曲がってしまっている。

一度コロをバラして、鈑金の曲がりを調整するが、sus板なのかかなり硬い。

どうやって曲げたのか分からないが傷が見えないから、ケースか何かだろうか?

ローラーが破損していなくて良かった。
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トーキーアンプが石ではあるが、ブロックケミコンの大きいのが幾つか見えた。

長年通電をしていないと、ケミコンの電解液とが化学反応をして、電流が流れる様になってしまい、フォーミングを要する様になるから、スライドトランスで20Vから徐々に電圧を上げて擬似的にフォーミングをしてやりながら、定格迄上げてやる。

これをやらないと、急激に電流が流れ、熱になりパンクする。

専ら、古いと容量も抜けるから、交換せねば宜しくないが、動作試験程度なら良いであろう。
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エキサイターランプは交換用が1ケースある。

殆ど切れる事はないと思うが(^^;;

直流点火でハムを抑えているのだそう。

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スピーカー端子は流石に合うのが無いから、ダイレクトにハンダ。

映写機サイドは47の通常プラグ。f:id:A2laboratory:20190911170337j:image

フォーミングを終え、モーターチェック。

60Vを入れてクラッチを外し、モーターを空転させてみる。

問題なし。

ブラシはカーボンの減りが気になる点ではあるが、下手に触るとスロットに傷を付ける場合があるから、触らない方が良い。

交換用は出来れば面接触になる様に研磨にかけた方が良い。

整流子の清掃はアルコールで拭いて、カーボン屑を取れば良い。

絶縁低下になる場合があるから、これは念入りに。
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定格迄上げて整流子が火花を散らしていないかチェック。

遠心力速度制御機からアークが出ていたが、これは仕方ないのか?

少し気になりどころ。

 

手で機械を動かして、固着が無いか確認、クラッチを入れてモーターで回してみる。

モーターを止める様な事をすると瞬間に整流子が焼けてしまうから要注意である。

 

8mmの機械と異なり、循環式のオイルタンクがあって、自動的に所要箇所へ給油がさせる様になっていた。

多分、連続動作時間が長いからではないかと推測。

これも窓からオイル位置を確認、循環もしていたから良好と判断。

グリス部分とベルト部分はバラして清掃、必要箇所へグリスアップ。

ベルトは弱ってはいなかったが、プーリーとでキュキュと鳴くのが気になったから、シリコーン油を薄く伸ばして僅か撫でておけば静かになった。


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サプライ側のバックテンションが掛からず、フィルムが引き出された勢いでビョーンとフィルムが弛み、レンズ前迄出て来て影を作ってしまう症状が出た。

サプライアームのベルトをキツ目に掛け直し安定したが、フェルトのパットかが、元は何処かに挟まっていたのでは無いかと思ったり。

ただ、リワインド時にそれも負荷になるから、やはり元々無いのかよく分からない。

フジカの映写機は、フィルム止めの倒し位置で、巻き戻しかフリーかを定めていたが、この機械はそんな仕様ではないみたい?

少しグリスの稠度が緩かった可能性があるか?

とりあえず問題は解決したが、少し気になる。

前章のベルトにオイルをくれたのとは別動作であり、逆転すると空転するベアリングが使用されている。

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スタートさせて暫くすると、キキキ、カタタタタと、フィルム送り以外の音がし始めた。

調べると、クラッチのフレームが鳴いている様である。

更に調べると、クラッチ接続面のゴムパッドが、クラッチが入りっぱなしで保管された事で、若干潰れている様子。

リアランスを調整しようとネジを緩めて外すと、今止まっていた箇所の他にネジを締めた跡があるから、もう既に触っている様である。

この事から、ゴムパッドが潰れたのではなく、前所有者による位置調整不良という事が明確となった。

これにて、クラッチが連結された時にはフレームに触る事なく、異音は止んで、かなり静かに走行する様になった。

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ランプを空冷するブォーという音、カタカタカタとフィルムを送る音はもう致し方ないが、やはり機械が大きい分、8mmとは違ってかなりドッシリした動作音だ。

机にも振動が伝わるし、結構な迫力。

経済成長、バブル期の物であろうが、かなり品物としては上等。

時価格は結構したと思うが、今でも殆ど無メンテでも動く要素を持っているから、文句無い質である。

 

サウンドトラックの方も問題は無いのだが、ハムがブーンと残っていて、ランプの平滑が上手くいっていないのではないかと推測。

セレンの整流器は交換した方が良いかも知れない。

平滑のケミコンも容量が抜けているかも知れない。