A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

117N7 研究

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昔買付けていた部品も無くなり、売っていた店も今は無くなり、新規製作と同じになったが、同等品というとサイズが大きくなってしまうという不思議な現象が起きている。

昔買っていた代物が、何処の製造なのか、どんな規格だったのかも今になっては不明な儘で、当初も規格が怪しく、自分で調べてやってくれ。という投げやり感があった売り方の代物であったが、物は良かった。

一般規格に属した物ではなく、独自のものだったと思われる。サイズのシャーシに合わせたかの様に具合の良い物だった。

現行で入手の出来る物で、容量を合わせるとサイズが大きくなり、サイズで合わせると容量が小さく、許容も少ないという。(少しサイズは小さく、現行品の大と小の中間の様なコアサイズだった)

そんなで、サイズで合わせた物を使って昔と同じ様に組んでみたが、所謂容量オーバー。飽和が始まっている音がする。

OPTの許容電流に対してオーバーしているから、磁化が大きく低域が締まって聞こえ、ダンピングファクタが向上している様にも思える音であるが、これは単に低域の余裕が無くなっているだけで、上を知ってしまうと良い感じがしない。

仕組みを知らなければ、DFが高いアンプで通りそう。

LuxのOPTもコイルが切れ易いが、あれはかなり細いのを巻いているからで、多分巻き数を少なくギャップを広くして容量を稼いでいるのではないかと思ったり。

定めし、許容電流は使用の球に対してギリギリか下回っているのではないかなと。

電源を切った時に、低域がグーッと豊かに出始める様な具合であれば、容量オーバーが疑わしい。

ギターアンプは良くこれがある。ボルトスライダーで電圧を下げると良い音になると、やっている人は少なくない様子。
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もっと豊かに鳴らすべく、クラーフ結合にしてみる。

10Hのチョークを納める余裕は無いが、実験としてやってみると、音は豊かになっている。締まりの強く効いた具合から解放され、ゆったりと低域が鳴っている。

小さいアンプしか触っていない方であれば、低域が出ないのは致し方ないと括っているかも知れないが、上手いバランスで作れば低域もゆったり、大らかに鳴らせる。

効率が悪くなるとゲインも周波数特性も悪くなるから、WEのショートループ式の繋ぎ方を採用した。

これも良い塩梅があるから、ただ繋いだだけでは良い音にはならない。更にハムが増える場合があるから要研究である事は言うまでない。

古典球の場合も、ただ単に組んだだけでは上手くないのは同じである。

ただ鳴りゃ良いというのは、この際やめにしたい。

だがしかし、シャーシサイズの制限があるから、どうにもこうにも収まらない物が多過ぎる。

シャーシサイズに収まる良い塩梅を見つけて作らなければならないのは結構難題である。

 

小型であってもppにすれば、シングルのトランスコアサイズよりも小さくて済むのがプッシュプル用で、磁化も左右でバランスされるから、ギャップを設ける必要がないというのもある。

しかしながら、一般的に小型のpp用など見た事がない。

さて困ったぞ。

また探し歩くかな。