A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

MCステップアップトランス

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色々な形状に巻いて試したが、満足な低域を出すのが難しいという課題が残った。

これはコイルの巻き過ぎによる低域衰退なのか、コアが少ない乃至素材が良くなかったのか、まだ不明な事が多いが、コアを抜くと低域が更に衰退して中高域も下がるから、コア材で影響がある。

それで、コイルの巻き数ではどの様な変化があるのか調べる為に、150Tづつ重ねて作った。
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ターン数の他に、.05mmと.1mmの線径、コアの大小で同じ巻き数で作ったのである。f:id:A2laboratory:20220122203208j:image

結果は大差無い様に感じられたが、大きいコアに対して其れ相応の巻線、ターン数があると含みが出て来る様な、そんな印象である。

巻き数が少ない側は、硬い様な中高域が良く出る具合に倒れる。歪っぽさが感じられた。

次第に巻き数が増える側へ繋ぐと、ギスギスした様な音が柔らかくなり、大らかに鳴る様になった。

出ていた中高域は引いて、ワイドになった。

あるターン数以上になると周波数特性的が大きく変化する等の事はなく、より巻き数が多ければ多い程、ゲインが少しづつ落ちる。

例えば1:10で巻くとしたならば、1次巻き数が多いと、2次側も10倍巻かないとならないから、1000回巻いたら、10000回巻く必要がある。

これを一般に嫌って、300T:7000Tくらいで作っている物は多い様だが、1次巻き数が少ない。ハッタリの効いた様な明るい音はするが、ギスギスしている様に思う。

もっと多く巻いた方が多彩に感じ大らかの様に思うが、多ければ何でも良いというものでもない。非常に難しい塩梅である。