不動ジャンクの時報附があったから、正月休みの退屈凌ぎに触っていようと入手。
綺麗とは言い難い砂埃で汚れているが、小綺麗にされると高くなるし、手入れが楽しいのであるからこれで良い。骨董屋の考えである。
昭和15年の同型機を既に持っているが、銘板が異なる様で、こちらは幾分古そうだ。
金具があったり、コスト減をしていない様に見受けられる点も挙げられる。
昭和15年辺りにはもう金属の使用制限が掛かっていたか分からないが、壁掛け金具は無く、木を彫り込んだだけだったり、機械の一部薄板が、比べるとかなり薄かったりと質が少々悪そうである。
より古い方が良質なのは、初めは最高品質で、次第に合理的に何処を手抜きして良いか見えてくるとコスト減をし始める。
コストを下げなくてもやって行けたら、其の儘の品質で続けても良いのだが、会社となると利益を求めたり世情が影響する事と考えられる。
削減しないで頑固にやっている様だと大きくはならないだろう。
ダイアルは普通手が触れないから引っ掻き傷は出来ないが、傷が少し付いている。
指針が擦っていたのか分からないが、錫メッキにシルク印刷であろう。少し磨いてやると白く戻る。
秒針を抜こうとしたのかベシャッとしていて、カシメが緩くなって芯棒を残して板だけが抜けてしまう。
通電してもマグネットが働いている音がしないと思ったら派手に配線が断っていた様である。
ショートするかも知れないから、やはり安易に通電確認はしない方が良い。
絶縁シースが剥がれ落ちて危険と思って切ったのか分からないが、芯線が長く向き出ている。
試しにモーターにワニ口を繋いで通電してみるも動かない。
励磁はしているからコイルは断線していない。
モーターは油をくれたらしい。ビッショりしているが、これでは意味がない。
10mlでモーター一杯になるから、洗い油を注射して入れて温める。
失敗した事に気化した洗い油に火が回って大炎上。火が付いた瞬間に温度が急激に上がる様で、噴き出て更に炎上。書類を少し焼く。
鎮火しに塞ぎに覆った手が軽く火傷。毛がなくなった(笑)
こんなで済んで良かった。火が付いて驚いて手を離したら恐らく消防を呼ばなくては消せなくなっていた。
前にもホワイトガソリンを電熱線の近く、60cm程で使っていたら、やはり大炎上した事がある。この時も手で容器を持っていて目の前で大炎上したが、すぐにウエスを被して消火した。
乾燥した時期は静電気でも十分気化していれば、火が付くから要注意である。
また火が付くと危ないから500℃で温めて排出。
かなり黒緑色。固まった汚れが出て濁っている。これだけ汚れていたら動かなくとも不思議でない。
燃え移ったから、黒く煤けているが(^^;;
モーターは幾度か洗いを繰り返して動作する様になったから、本体を分解掃除する。
時報部分は3層になっていて、最下層は常に秒針と連動して常に動いている。
2層目と最下層との間にはクラッチが入っていて、非連結の時報が停止した状態では、クラッチ自体が最下層と同期して回り、連結するとクラッチ自体は停止し、2層目が回り始める。
3層目は2層目から得た別の歯車によって比率が圧縮されて遅く回る。
機械の方はモーター程汚れていなかったが、粘っていた。
乾燥。
組み立てる。
ネジ止めの歯車が多い。圧入よりか勝手が良い。
秒針はカシメ直して整えて。
文字盤はバラして磨いたから白く戻った。
組み付け、ボンボンを調整して完成。
あとはケースを磨いてやって。
とりあえず60c/s地域、関西でないと、ただ動くというだけで使えないから、暫くしたら売りに出す予定。