A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

不具合

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先日送ったワッチ時計が不具合があり帰ってきた。

症状は時計が時々止まる、時報が鳴らない。

届いた時も時計は動作しておらず、時報も鳴らない。
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静かにバラすも特に何かと問題ない様に見受けられる。

時報の数取りが上手く落ちていない様で、触ると動き出してテンプも振り出した。

時報の機構は普通、数取りレリーズやハンマー部分にはバネが掛かっているがこれは、第1レリーズにしかバネが入っておらず重力頼りの設計になっている。

従って垂直に使わないと上手く動かない。

寝かせては絶対動かない構造なのである。

今回、輸送を寝かして行ったが、以前の記憶を辿ると、垂直に送った様な気もしてきた。

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立て掛けて使っているとの事で完全なる垂直で動作していない事になるが、水平に斜め45°迄は何となく動作はする事が分かった。

水平が崩れ、右側が僅か傾くと30°でもレリーズの死点に差し掛かり止まってしまい丁度寝かした状態と同じになるから時報は鳴らない。

何かの拍子にこの症状が出ると噛み合って30分後に時報がスタートしようにも出来ずトルクが得られず時計が止まる様である。

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普通では有り得ない状態であるが、再現をさせるのに試験してみる。

25分の位置、55分の位置で止まった。

 

再度分解、テンプを斜めでも上手く動く様調整。振り角調整。

輸送を再現するのに簡易的に箱詰めしてバイブレータに乗せて色々な角度にしてやってみるが問題なく動いているが、垂直にして送る方が機構的にも良いだろう。