A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

電源トランス 修理ス。

Junkの表記は特にないが、どう説明を読んでもJunkか不良品の電源トランスに手を出してみた。

説明を鑑みてなのか、誰も手出ししなかった。

手出ししないのが利口なのかを確かめてみたくなったというのもある。

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テスターで調べてみると、やはり高圧タップの導通が普通ではない。

330-250-0V-250-330

この様に巻かれた、両波整流の物だが、0にも250にも導通がない。

代わりに330-330間だけに導通がある。従って、660Vの電圧しか取り出せないのである。

こういった正常ではない不良品を堂々330V間のみ導通があると売っていたというワケであるが、これを知らない人が330Vだと思って組んだら660Vも出てしまったなんて通電してから気付く様な恐ろしい事になり兼ねない。

半世紀も経った機材の取り外し品は修理が必要な不良品と思っていた方が良い。

修理が出来れば良いが、出来ない物はインテリアか廃棄かの2択の様な気がする。

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手っ取り早く端子を再ハンダしたが、250にも330にも線をハンダしていた跡があり、その線を寸切にして取り外した物で、とうの昔から不具合のあった物と考えて良さそうである。

250端子が先にダメで、330端子を使う様になり、最終的には中点0も断線で廃棄されたかも知れない。

ハンダのクスミ具合からして近年にハンダをやり直したが、やっぱり鉄屑だったというワケではなさそうなのである。

 

鋳物のカバーは内部で絶縁テープがくっ付き外すのに苦労した。

何層にも巻いてあり、引込み線を切らない様にニッパーを入れて剥ぎ取る。

そうすると端子下からハンダ外れの線が何本も出て来た。

先端はハンダが薄ら乗っているか程度であった。かろうじて端子へ触っていた様な具合だったかも分からない。

引込み線は絹巻きの縒り合わせで、コイル直を引き出して端子へハンダするスタイルではなく、巻紙部分で別線にハンダして引き出すという凝った仕様である。流石山水。

フラックスを付けて端子へ絡げて外れない様にし元へ戻すが、絹を剥らないとハンダが乗らず。薄いながらも良く出来ている。

これにて修繕完了である。

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UZ-42の5球か6球スーパー用のトランスであろう。

5Vは2Aだから、UX-80か5Y3が使える。

6Z-P1のアンプでもまた作ろうかな。暇をみつけて。