A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

阿部式電気時計

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朝、子時計が一斉に止まっている事に気付いて、親を見に行くと親だけは運針していた。

電源函が不具合を来したかと思い、ナイフスイッチを連動から手動に切り替え、手動運針をさせると動いた。

電源は問題ない。

もしかすると、欠損していて作ったスイッチ部に不具合が出たかと開腹。
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ナルホド、イモネジが緩んで空転。

私の作った突起附のカナである(^^;;

緩んでしまうとツツカナ的な様になる。

締め忘れ、もしくは毎分1回転スイッチを押し上げるという僅かな刺激で緩みが生じたか?

どちらにせよ、1年程は触っていない様に思うから、其れ迄は具合良かった。

締め付け、ロック剤を入れておいた。

 

今思い出したが、強く締め付けると、シャフトに傷が入り、機械をOHの際にバラす時にホゾ穴から抜けなくなるという症状が出そうだったから、あえて強く締めなかった様な記憶。

もう強く締めてしまった(^ω^;;)
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良く々見ると、振り玉の範囲が僅か小さいか。

少々、内巻きのゼンマイが開いて来ているかな?

それとも調整イモネジが緩み始めているか?

どうしようか迷ったが、触らず。

緩めて空転と逆転させてバネ掛けが外れたら総分解が必要になるから慎重に....以前にやっちまっている(^ω^;;)

時報の機構に付いている様な風切車があるが、これはガンギ車の内ゼンマイを巻く時に静かに巻く為のもの。

分針の運針は錘が仕事しているが、ガンギを動かして、1分間を計測、制御しているのは内巻きのゼンマイの動力のみ。

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この錘が1分に一回だけ僅か下がってくる。

6日で最下部に達し、警報器のスイッチを押し下げる。

警報は2回鳴りで、1度目は注意、2度目は停止を知らせる。

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錘式なのに1分間に1度しか動かないという変わった構造。長針も短針も1分に1回進む。

ガンキ部分は1分間に60回、秒針を運針させる。

この2つの機構が関わるのは、1分間に1度の1秒程度。

同じシャフトを共有しながら、歯車がバラバラな動きをする巧妙さ。

そして電気信号に変換、並列に繋がった子時計を一斉に運針させる。

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