A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/02/09

戸上電機の時計、続編。

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風切車の合う1つくらい、ガラ箱に有るだろうと掻き分け探すも見当たらない。

こりゃ参った。全部ひっくり返して調べたら、3つ程あったが、小さいタイプはドイツ製であろう。他2つは国産だがやはり合わない。

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仕方がないから、合う歯数で合わせる事にして、時報側の歯切りは、一般的な古い国産の構造は、7歯か8歯の様子。

8歯は噛み合わせるとゴトゴトとエラーがあって、サラリと回らず、此の儘回すと歯の磨耗が激しくなるであろう。

少し噛み合わせを離してもやはり変わらないから合っていない。

7歯はシックリで、少し離すとサラリと回る。

7歯の歯車が時報3番車であるから、カシメてある外歯車を外して内歯車のシャフトの位置を叩き寄せた。

上の図がその叩き寄せて合う様に作り替えたシャフトである。

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シャフトを加工して先尖りに。

点支えで極限に摩擦抵抗を下げる。

後は回転盤を作る。

上のカラが付いたのが今回の機械に付いていた物であるが、かなり状態が悪い。

先尖りも丸まってしまっていて、ベルトで寄せた為か、ガイドに擦った傷がある。

もう片方は切ったまま、少し丸めた様な状態。

これがオリジナルの回転子なのか不明であるが、噛み合わせは良い。

数えると7歯である。

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良い厚みのアルミ板が無いから、アルミ缶を叩き伸ばす事にした。
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ドーム型から、平らにしようとすると、周りを伸ばさないとならないが、限界がある様で2箇所ヒビが入ってしまったが、機械に合わせて切詰めるから大丈夫であろう。

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カシメるか考えたが、ハンダの方が後から何かという時に便利かと思って。

 

後はコアーとコイルであるが、構造的には隈取型であるが、積算計の誘導型の様な形状をしている。

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これがオリジナルのモーターである。

強いトルクは不要で、数日掛けてゼンマイが巻き上がれば、その反発力で停止する程度の具合で良い。

完全にゼンマイが解れている場合は、ある程度を手で巻いてやらないとならないが、停電から1週間は動き続けるから、定めし電氣巻様式としては最長と思われ。

通電中は絶えず追い巻きしている動作をする。

消費電力は1Wで、マツダの電気時計よりも1W少ない。

 

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バイスに回転子を挟んで、2つのコイルを近付けたら回るのかやってみたが、Cを挟んで位相を変えても、コアーがループする様な形状でないと回転しない事が分かった。

リレーやソレノイドが、外枠を使って一周する様な構造だから、どうかなと思ったが、ギャップが出来る位に寄らないと上手くない様子。

また、主のコアーに対して、主と補助が1/2のコアーサイズで向き合っていないと、やはり回らない。

単純な構造であるが、結構シビアーな様である。

さて上手くいくかな。