修理してから動き続けているから、完治したと言える。
しかしながら、時差が大きい様だと使い物にならないから、精度を詰めていく。
余裕がある場合には、毎日調整して行くが、今回は早く答えを出す必要があるから、タイムグラファに掛けた。
12000振動で認識はするが、-300sec/day、+400sec/dayと安定しないが、明治、大正時代にはタイムグラファという瞬間測定器はまだなく、振り子式の共振測定器か、毎日時間を確認するというアナログな方法しかなかった事と考えられる。
共振測定器も、振り子の振れが大きくなる迄待つ必要があり、平均値が振り子の振れになるから、瞬間、瞬間の時間差は判別が難しかった事であろう。
専ら、各時計が5分、10分ズレている事は普通であった時代なのである。
機械は寝かして使わないから、立てても測定。
少々精度は良くなるが、バラツキが大きい。
しかしながら感覚的に、遅れ、進みの具合は分かるから、良い塩梅へ調整する。
戦前の掛け時計は、春夏秋冬で時差が出るのが一般的。
電気機械式は別。
仕上げに組み込んで様子を見る。
最後は人的な確認となるが、機械式の愛着はこういう部分と思う。
電波時計は正確であるが、何も面白味がない。
タイムグラファを出したから、愛用のレオニダスを測ってみた。
毎日1分半は遅れが出る(^^;;
しかし腕にしていると、角度に変化があるから、進んだり遅れたりするもので、使っていると良い塩梅に時差が少なくなるモノで(笑)
シチズンのフォーハンズを見てみたが、バラバラ(笑)
かなりのJunkで動かないモノを蘇生させたのであるが、正規は多分真っ当であった事と思われる時代の代物。
....言うまでもなく、素晴らしい。
機械価値ある。
僅か振り角エラーはあるが、良い精度である。
古いが良い機械、構造だ。
ドイツ ヘルブロス。多分70年代。
エラーが大きく遅れが出ているが、安定的に遅れているのは、寒いからではなかろうか。
落馬による耐震保護、バイメタルによる温度補償付の高級型 懐中時計。
(耐震にはなっているが、後のショックプルーフ程の耐久性はない)
鉄道時計として採用されるだけあって、良い精度。
突如遅れが出るのは、歯車の伝達性が一定でなくなって来ている事が考えられるが、100歳を迎えても尚動き精度を保てているのは、只者じゃない。
人で考えれば、若者と同じ仕事をしている様なものである。
機械裏。
ケースに入って、通常は機械を目にする事はないが、装飾模様が彫り込んである。
1600年か1700年位からある、出テンプ型の構造で後期の物にあたる。
貴族や実業家のステータス品。貴金属類。
落馬による機械破損が良くあった為に、機械とケースは別売をしていた。
とりあえず、復帰する見込みが見えて良かった。