A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/09/05

 

プリアンプとは何を含んでいるアンプの事か。

直訳すると、前置きの増幅器という意味で、古くはレコードを聞くための、等価アンプを言う事が多かった。(フォノアンプ)

これを本来ヘッドアンプと言うのが正しいのであろうが、トーンイコライザ等も含んでいる、総合増幅器=プリアンプとしての括りになっている事が多く、その理由として、デコードカーブが各社でバラバラであったことがあり、また環境も左右される事から、補正は有ったほうが良いという時代背景もある。(HiFiと言い出すちょっと前からこんな雰囲気。S28年辺り)

また、少し高級品を謳った代物には、ラウドネスやカッティングノイズ フィルタ等のオプションも多い。

 

一級品となると、1台1台が完結した、所謂セパレートの形式があるが、これはも完全に1台として完結できる様な設計でないと、繋ぐ機器を選ぶ事になる。

そういうのは、あまり良い設計とは言い難いから、総合アンプとして、完結出来る迄に仕上げた方が理想的だ。

昔から、「ロー出しハイ受け」という業務用機器では当たり前の設定も、ハイ出しハイ受けという昔じゃよくあった形式があったから、より厳密にBTS規格だとかがあったのであろうが、民生機器は厳守されているワケもなく。

放送局で使っている機材が良い音だと思うのもワケない時代。

石のアンプでも、プリとパワーを切り離せる機材は、プリもパワーも個々に完結していて、切り離して他の機材が接続出来るという意味だから、これは価値がある設計と考えられる。

切り離せない物を、無理に切り離すと相性が良くないとか、色々と問題が起きるのは当たり前の事である。

 

じゃあどんな様に成り立っているのか、バラしてみると、ザックリはこんな。

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回路は昔から、左から始まって、右に流れていく様に書かれているのが一般的。

小さい信号が、徐々に大きくなっていくといった雰囲気。

左側のソースは、ディスクプレーヤーが2台とテープレコーダー、TVセットという、昭和感漂う代物達だが、まぁCDでもipodでも同じ事だが、ディスクプレーヤーだけはちょっと特別で、入力の端子は厳守しなくてはならない。

それと、Aux側にテレコも描いているが、再生アンプを内蔵していない、旧式のテレコの場合には、フォノ側に入力しなくてはならない。この絵のテレコだと、再生アンプは内蔵型ではないので、Auxサイドに入れるのは誤っている…が勘弁。

その場合は、9.5cm、19cm、38cmでEQカーブカーブが異なり、これはレコードの等価RIAAカーブ等ともまた違ったカーブであるから、テープ用でイコライザを追加するか、連続可変式にする。

挿絵のセレクタはフォノアンプに挟まっているが、これは同期して動く。

セレクタ部分を出ると、ボリューム、バランス、ch切り替え・ブレンド、トーンコントロールなる、コントロールアンプに入る。

単体では、セレクタも含まれている場合もあるが、総合的に音色や切り替えをする、コントロールアンプ。

次段にラインアンプというのがあるが、これは10dBや20dBの増幅機能を持っているか、ケーブルを長く引き回したい時に、ハイ落ち、ノイズ対策に、利得なしのバッファとして使うアンプ。

ロー出しするアンプ。ラインアンプ。

最後にスピーカーを駆動させる為のアンプ、パワーアンプ

このアンプだけ、電圧を増幅しないで、電流を増幅する物であり、故に非常に低 抵抗のスピーカーを駆動させる事ができる。

 

一般的に、プリアンプというと、フォノ・セレクタ・コントロール、が一体になった物を言うと思う。

これにパワーが付けば、プリメイン・アンプという括りになる。