A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

VT-5

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もう数が無いから、作ろうにも、1台2台で終わりだろうけども、量産形態は辞めにしたから、手を出してみた。

数の無い球を手にすると、後々にオファーが有っても作れないという事が起きるから、大量買したい悪いクセがまだ払拭出来ていないという(^ω^;;)

今回ばかりは本当にレアー過ぎて、NOSを入手できる機会は少ないかと思われる。

オファーの場合はお早めに?(^^;;
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Western Erectricの表記は無いが、Singnal Corpsとあるから、WE製作であろう。

電池駆動が主になっているか、フィラメントは1V 250mA。
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初段の信号増幅には使える事は間違えない。

中負荷のドライブ迄は難しいか。

実験してみる。

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20c/s〜20kc迄均一で綺麗に増幅できる事を確認。

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入力最大は15Vであった。

Epは最大90程に定格となっているが、Rp250kだとEb250印加してもEp30程であった。

Ip0.5mA程度である。

カソード側の抵抗を入れ替えて変化を見たが、無くても問題無かった。

 

古い球特有(?)のグリッドに起電力が自動的に発生する現象は今回も起きていて、500kの両端に-170mVが発生、信号が大きくなるにつれて、平均電圧が深くなる。

この作用を使ったアンプは割りかし近年のHiFiが流行った頃の製品にもあって、6BA6のグリッドリークに、高抵抗の5MΩを入れる事で、バイアスを得るというものである。

これをやるには、数メグの抵抗が必要で、500k程度で0.1Vも出るのは、古典球ならでは?それとも、直熱型に良くあるパターンなのであろうか。

直熱管と言えば、5B38で組んだ時はZ Class、グリッドグランデッドで作ったからグリッド電圧は強制的に0V基準となってしまう。

大型送信管のグリッドは、1k未満の負荷が指定されていたりするから、グリッド入力ではドライブが難しいのが普通であるが、結構無視した使い方をされている方は多いと思われ。

古典球の場合も本当は低抵抗負荷でないと良くないのか?分からないが、低周波トランスで受けるスタイルが普通だった頃の物だろうから、インピーダンスは高いが、DCR的には低いかな...。

 

 

さてさて。

VT-5を動作中に手で触るとハムが幾分現れるから、これを並べてフォノアンプにしようというのは、無理があり過ぎるかなぁ。

やはりパワーアンプの初段程度か、ラインアンプ程度が実用的かな。