A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/09/04

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使っているうちに、何がしかに不具合が(^ω^;;)

今回は、掴めていたディスクが掴めなくなった、半掛けで掴み損ねる、途中で落としてしまうという不具合が多発。

近くに付き添っていないとならない状況だから、修繕する。

 

フェードインアームの掴み度合いの調整がズレてしまったのかと再度調整したが、結果が悪くなってしまい、ここじゃなかった感。

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一連の動作を繰り返し見て要所要所で攻めて行く。

そうすると、まずストックヤードの一番下の部分迄、フェードインアームが落ちていない事を確認。

見てみると、センターの合わせ部分が若干曲がって、下方に隙間が出来ていた。

ただこれは入手時からこんな具合だったと記憶。

夏になって部屋の温度上昇で金属が若干反り返りが大きくなったのか?

それとも先日フェルトを交換した時に曲げてしまった?

不明であるが、合わさる様に曲げて調整。

材質は鉄かと思われ、結構柔らかめ。

しかし、これだけではやはり掴めてもすぐ落下させてしまう。

 

もっと良く観察をすると、センタースピンドルの中心にフェードインアームが来ていない。

フェードインアームの2つのネジを緩めて前後させて、センターへ来る様微調整。

アームを外すと位置がズレるから、そこから来たかも知れない。

これはターンテーブルのセンターを基準にし、ストックヤードのセンター合わせは、ストックヤード ホルダー自体にガタがあるから、これを定めて固定すれば良い。

1mmも動いていない雰囲気であるが、僅か0.5mmもズレると円の中心から離れる為に、掴むのが難しくなる様である。

結構シビアである。

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フェードインアームの掴む離すの操作は半円のシャフトの位置による。

このシャフトはアームの上下に関係なく独立した動きをするから、中空のシャフトが突き刺さっている様な構造になっていて、上下に振れる様に長いキー溝があり、それで操作状態を保持している。

アーム補助の外筒、内側に上下する筒、操作溝付筒、操作シャフトの4つからなる。

 

外してみると、磨耗した金属片が出ていて、真鍮コロの当たりが悪く、ベースが直接接触してしまっていた様子である。良くない状態。

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清掃し、コロを使って動作する位置へ曲げて調整。

上記の写真はレコードをクリップした時の状態である。

アーム側から真鍮のコロが付いた爪が出ているが、これが押されるとクリップを解放する。

クリップ時は、アーム裏に付けられたバネの力でクリップ、保持する。
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更に良く調べると主操作盤の取り付けナットが緩んでいる事が判明。

この際なので、バラして清掃、OHしてしまう。

それにしても、アメリカでメンテを受けたハズなのに、まぁ不適当なコト。


これにて演奏終了後の正規停止位置に収まる様になったし、稀に掴み損ねエラーを出す事はあるが、高確率で掴める様になった。

商業機械としては、ちと無理がある様だが、民生機としては最高のパフォーマンスである。

 

ただ、何がどう悪くなったのか、かなりのバランスで構成されている事が分かるから、1つアンバランスになると、他の箇所にシワ寄せが行き、総合バランスが良くないと上手く動かない。

力任せなアメリカンな機械と比べると流石スイス。

完璧な迄のバランス設計。

小さいトルクでありながら、それ以上の力を要する仕事を熟す。


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ps:元気が今度は良過ぎて、演奏終了停止位置から、オーバーランしてしまい、次の電源が入ってからの動作迄行ってしまう様に(^ω^;;)

アイドラが接触しっ放しになるのは、オペレート用でも、気持ち良いモノではないから、また様子見して調整する事とする。

 

・停止位置飛び越しの原因が判明。

グリスアップしたのは良いが、2つの重なった回転盤がエンド検知時に、2つに分割する動きをするのだが、エンドの時とで分割するしないがある。

この2つの板がグリスで接着してしまい、離れずエラーを起こしていた模様。

拭き取り脱脂しておいた