A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6N2P、6Н2П

6N2P、6Н2П

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OTKの判子が押してあるソ連の放出品。(このハンコは後から押した似非もある)

12AX7似の球として有名であるが、ヒーターが12V点火でなく6.3Vである点、9ピンがシールドになっている点がX7とは異なるから、其の儘差し替えは出来ない。

特性は似ている。

 

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内部電極は良く出来ていて、近年の高いがチャチな物と比べれば、断然お得と思われ。

中央に遮蔽シールドが入っているが、良く見ると、両プレート共に内側に丸い穴が開いていて、シールド板で遮っている様にも見える。

そうなると、この板にB電圧を印加すると、双極の共通プレートとして、混合で使えるかもしれない。

まぁ、僅かな穴だから、電子の到達する量は非常に微々たるものであろうが。

 

そう考えると、元々はセパレーションを良くする為に、遮蔽板を入れた訳ではなく、相互の電子が混じり合わない様にする為の物なのかもしれない。

プレートに開けられた穴を全て塞ぐと、電流が流れてAT7風になるのかなと想像。

 

実際に使ってみると、遮蔽板を浮かした儘使うと、12AX7と同様、ハイインピーダンス寄りになるのか、外部シールドが無いとハムが大きくなってしまう。

9ピンの遮蔽板をアースすると、5751寄りになるのか、ハムレベルが下がり、少しはマシになるが、やはり5751と比べてしまうとハムは多目で、外部シールドレスでは、初段は厳しい印象。

後はヒーターにバイアスを掛けてみるのも手だが、離れるとハムが遠ざかるから、増幅率が高いのと、僅かな距離ではあるが、グリッド迄が1MΩのハイインピーであるから、致し方ないのかも知れない。

若干高価だが、Jan 5751は、かなり按配が良いという事が分かる。

 

6N2Pでもシールドを施せば全く実用的で問題はなく、マイクロホニックも少ない。

スプリングをプレート幅位に巻くだけでかなり静かになる。

ただ、長巻のスプリングが手に入りにくいから、また困ったもので。