A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

JUNK CONTROL AMP.

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先日、興味本位で買ってみたコントロールアンプらしきジャンク品があるから、これを動かしてみる。

片付けたら次から次にこのあり様だから、片付けにはなっていない様な雰囲気(笑)

値段は高いのか安いのか分からない具合だったが、電源が無いから、普通一般では価値の無い部類だろうから、定めし高い。

直しても元が取れるとは思えない所謂、修理のお楽しみ用である。

余談であるが、最近プリントの消えた球が良く売れる。

特に良く消えた物程良く売れる。

普通一般には、プリントの消えた球など、Junkの300円箱にある様な物なのであるが。

電子管販売に関わった方であれば、それがどういう意味なのかピンと来るであろうが、どうやら最近また“それ”が多かれ少なかれ始まり出した様である。

菱形のハンコが押してあるからと言って、それが本当にそうかは分からない。

 

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余談はさておき、いきなり通電すると派手にクラッカーを起こすかも知れない具合に見受けられる部品が揃っている。

絶縁が悪くなっていそうな紙絶縁オイルが多い。

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↑こうなってからでは処理が面倒だから、フォーミングしつつ350V迄上げてみた。

10μFが4段だから、そんなに時間は掛らない。

球はフォノEQにX7、カソード出しNFトーンにX7、終段にU7、カソード出しと凝っている。

付いていた球は東芝、ナショナル、日本電気と、3社お揃い(笑)

一番ナショナルの球が具合良さそう。他は抜き球か、ゲッタが少し少ない上にプリントも薄い。

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球を叩いてみて、マイクロフォニックが観測出来たから、増幅器としては作動しているらしい。

信号を入れて試したが、増幅器としては機能しておらず、減衰器と化していた。

しかしながら、歪みも少なく不思議と良い状態である。

Low、High20kc迄カバーしていて、カソードフォロアが良い様に作用しているのか分からないが、とにかく壊れていても高忠実度を保てている。

格段のグリッド電圧を確かめると、10V、30Vでていて、ボリュームを動かすと直流が上下する状態であるから、思った通りカップリングの絶縁不良。DCアンプ風とも言えるか(笑)

高圧の掛かる部分のオイルは交換した。

これにてゲインが普通に戻った。

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Ebb260Vで5mA弱流れている程だから、ケミカルが壊れてもいなさそう。
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フォーミングは上手く行ったと見受けられる。

しかしながら、突如ショートモードで壊れるあんて事もあるから、電流計を見つつ、ケミカル本体が温まって来ないかチェックしつつ(^ω^;;)f:id:A2laboratory:20201106152053j:image

ラグに一通り部品を納めて、自作品にしては全く綺麗な出来栄え。良く出来ている。

無線と實驗に記事を書いていた先生かも分からない。

モノーラル時代の物である雰囲気は強いが、メタコンを見ると、もう1台繋げられる様にソケットが拵えてあるから、近いステレオ時代に備えて作った可能性も見受けられる。

フォノEQは、RIAAではなく、SPの時代のものっぽい時定数の様子。

試行錯誤なのか、3Mと0.002μFの組み合わせのフィルタは何処にも繋がっておらず、良くなかったのか、切った様である。

EQは3セレクトであるが、LP-US78-EU78というセレクトっぽい雰囲気。表記は一切ない。

実際に聞いた感じは悪くはなくて、RIAAから外れてもいなさそう。

シールド線は10cmか15cm程使ってあるが、これの為にハイカットが自動で起きているか?

 

AUXは直接カソードフォロアの段に入る。

12AX7だから、トーンの入力側は2Vか3Vで歪み出すと思われるが、NFトーンだから、幾分大きい信号でも耐えられるか?

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トーン回路は、モノーラル時代の欧州HiFiセットに良くあった中点タップが必要な回路構成で、Cosmos MRT-30B、500k 3中点タップ付が使われていた。

ガリが酷く、殆ど接触しない状態であったから、VRを外したが、割れてグチャになってしまった。モールドの質が悪かったか。

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元はラウドネス用途にVRの固定位置に素子を繋げて補正をするという物で、今では手に入らない部類かと思われ。

中点タップを使わないタイプのNFトーンを考案したのが、Lux型と言われるものになる。

ハイ調整は中点タップ無しでラックス型に近い配線にして修繕。

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ゲインVRは2つあって、1つはラウドネスが掛かる様になっているもの、もう1つは出力ゲイン調整用。

ラウドネスのかかり具合を合わせる為にダブルにしている所を見ると、やはり素人工作にしては、レベルが高過ぎるから、良く理解のある人が設計した物と考えられる。

ゲイン率も具合良く出来ていて、コントロールアンプとしては、やはり具合良い。

NFトーンは、高域の可変率は大きいが、低域の可変域はあまり広くなく、あまりブーストも掛からなければ、減衰も弱い。

5000pfのオイルコンが悪さしている可能性が考えられるが、信号のみしか通らないから良しとしたが、容量が増しているのか、はたまた、NFだから容量抜けしているのか分からないが、超低域が可変しているのは聞いてわかる。

CR型であれば、容量増しと思うが、NFの場合は逆に容量抜けかな?

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一旦楽しめたらバラして部品取りしようかと考えていたが、ダイナミックスピーカーがあるから、それのコントロールに使おうか検討。

絶縁手袋

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先日、感電したとか書いたものだから、心配された方が絶縁手袋を買って寄越してくれた(^^;; ありがとう。

試しに1kVを印加してみたが、無限大の儘に静止していた。

結構薄いから傷が付くと高圧はアークが飛びつくかも分からない。

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数年前にもイギリスのバイヤーから似た様なのを貰った事があって。純然たる舶来品。

この手の保護具は国産だとサイズが1種類しかない様だけれども、海外ではサイズが選べる。

これも同じかそれよりに薄いか?どちらもツルツルであるけど、サイズが選べるから、ブカブカって事はない。

重いシャーシやら棘のあるハンダなんかを誤って触ると破ってしまいそうで使う事を躊躇する(^^;;

テレビを通電した儘触る時は履いていた方が良かろう。

まぁ慣れたら、来ると分かって触る分には痛いけど大丈夫だろう。

不意打ちは危険だけれども、握らなければ離せるから大丈夫。

握ってしまったら、漏電ブレーカが切れる迄は自力では手放せないから超危険。

握った場合に、裸線ならば、近場のシャーシへショートさせてやれば回避出来るが、そんなのは相当運が良い。

電気は見えないから厄介だけれども、安全に使えば便利。危うく使うと危険なのは言うまでもない。

銀磨き

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昨今、10月からまた値上げ等々で、愛煙家は少なくなったかと思うけれども、モクを吸っている人の方がコロコロになり難いらしいヨ(笑)

それは置いといて。自身ジッポーを使う機会が減って、ガスライターかマッチが主で、久しぶりにsonikoのジッポーを手にしてみたら結構酸化が進んでいて黒くなっていた。f:id:A2laboratory:20200927214917j:image

酸化膜落としは、銀磨き等色々あるけれども、モク吸いには実に身近な灰で磨けば良い。

灰はアルカリ性で酸化膜落としに作用するから、灰を少し取ってボロで磨いてやると白くなる。
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銀の懐中時計もケースを灰で触ってやって綺麗にして持っていると綺麗に白く保てる。

最近はあまり懐中時計を持ち歩く機会は減って、やはり黒くなっているが、手入れが行き届いていていないのは良くない持ち主の様に思える。

手入れしてくれる人の元へ渡った方が幸せなのかも知れないと思ったり。

なんの物でも当てはまる事であろうが....

 

マグネチック アンプの続き... Westernの陣笠

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昨日から試聴していたが、やはり24mAは100年以上経過した物を繋ぐには、流れ過ぎの様に思って、幾分減らせないか検討。

250Vタップを220Vにすると、UX-45の電流は20mAになったが、暫し歪みっぽいか。

初段の6C6が影響があるのか分からないが、良くなさそう。

250Vタップに戻して次に考えたのは、Bマイナスを浮かして-Cとした古風な自己バイアスの回路構成であるから、B+にリーク抵抗がない事も含めて、5mA流してみて、-C電圧が増した分、カットオフに働くか見ると、20mAになった。

45自体の定格は35mA前後で2W得られる球であるから、マグネチックには大き過ぎる様な印象もある。

UX-12Aであれば、0.3Wもないが、うるさい程に良く鳴る。

シルバニアのデーターブックには、ロードラインの記載が無かったから、-50Vを超えた位置で、どの程度スイングするか分からないが、先程よりか歪みはあまり感じられない。

しかしながら、所有のマグネチックが幾分質が悪いか、機械歪みが多い事は間違えなさそう。

良し悪し左右するのはソース次第という印象である。

低域が入れば歪むし、特定の周波数で金属鳴きを起こす。

調整次第で金属鳴きは止むかも分からないが、持ち味の近い固有の物と思った方が良いであろう。

簡単な構造な物程、調整が案外シビアで難しい物だったりする。

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結局の所、Bの安定化の為にもリーク抵抗を入れる事で、充電も電源を切って3秒程で40V程迄に下がるから安全面でも良かろう。

マグネチックには20mA流れ、たったの4mAしか減っていないが、これ以上減らそうとすると、-Cバイアス抵抗の発熱量とを考えると、そもそもの球を変更した方が良いのではないかという結論に至りそうであるから、止めておいた。
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6C6のキャップは、頭直にハンダしているのかと思ったら、大きさが不可思議で、少し回してみたら、なんて事ない、金属キャップであった。こんなキャップも有るものかとナカナカ関心。

プレートキャップであると、少々怖いが(^ω^;;)

 

 

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納品しに行って、個々のマグネチックを聞いたが、特にこれと言って大きく変化は無かったが、コンデンサでDCカットをした方は、幾分か低域が豊かの様で、ブンブン鳴る印象。

プレートとBの間に直に入れる方式では、振動子が励磁され、吸い寄せられる為か、低域が出難い印象であった。

その中でも、Western 540は低域がズンドコ出て来て、マグネチックらしくない、Wide-Rangeのダイナミック型の様な音がした。

これは“良い音”なのかも知れない。

しかしながら、小音時からガサガサとした音がして、濁っている。

バランサーの具合が悪い時の症状とはまた違うから、振動子に屑鉄が寄っているのではないかと推測、許可を貰ってバラした。f:id:A2laboratory:20201108192558j:image

案の定、ギャップ内に錆びた鉄片が寄っていて、これらが振動に影響を及ぼして、音が濁っていた。

マグネットで砂鉄やら、錆びた鉄片を吸い寄せるから、致し方ない。綺麗に除却して組み戻す。

組み戻し方にも、ちょいとコツが必要である。

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バランスに問題がないか、信号を入れて試験し、問題のない事を確認。

センターをコーンに止めて鳴らしながら、一番良い音になる場所へマグネチックユニットを動かし調整する。

位置によって中高音の“シュー“音が回転して聞こえ、アジマスの様な具合であるが、ピタリと来たからと言ってハイ上がりになる訳ではない(^ω^;;)

ナローではあるが、カバーしている帯域の特性が上がり下がりすると言った雰囲気。

太い低域が入った時に、フレームとコーンを接続した部分が多少鳴くが、当時は今時の様な太い低域がズンドコ鳴る様なソースは無かったと思われる。

これにて完了。

マグネチック スピーカー専用アンプ 改造

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マグネチックスピーカーというと、戦前から戦中、戦後間もなく迄、音声を聞く為にラジオに使われていたスピーカーであって、HiFiとはかけ離れているし、とにかく音声を聞き取る為の物であって、ダイナミック型が出現してからは、安上がりにする為の言ってしまえば、廉価品であった。

これが最近になって“良い”という言われをされる様になって、雑誌にもなっているもので、全く何が売れるか見当がつかないモンで。
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これが専用アンプとしてスピーカーと一緒に売っていた物だそう。

終段 UX-254で、古風なソケットで仕上がっている。

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構成はこの様で、OPTをチョークとして使ってコンデンサカットでマグネチックを鳴らそうというもの。

マグネチックも年月経っているから、あまり電流を流すと切れるかも知れないから、これの方が安心かも知れないが、コンデンサでカットした分、このCの音だったり、OPTのクセが出るかも分からない。

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当時のセットはこんな様に使うのが普通で、とにかく安価にする為に作っていた訳で、トランスを多用しては、コストを下げられず、マグネチックを使う意味がない。

だったらフィールドのダイナミックを使った方が高級品として売れるが、廉価品にはならない。
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コロンビアかのセットで、コンデンサでDCカットした物があったが、この場合終段の電流が多く流れる為に、コイルを切れ難くする為にコンデンサを入れた事推測。

 

本題であるが、このアンプで鳴らす音を、“より良い音にならないか”という改造依頼である。

 

...仕事を貰うという事は有難いが、“マグネチックはマグネチックの音。これ以上に良い音にはならないでしょう”と断っておいた。

何か雑誌の先生方の“良い音”という評判を期待している様で、信じるか信じないかの様な、なにか気が進まない部類ではあるが...

まぁ確かにHiFiでなくても、良い音(?)がする様なナローなソースを再生するならば、良いのかも知れない。とにかく良い音とはなんだ?具体性がなくて分からない...非常に難しい仕事である。

 

マグネチックを鳴らす上で、アンプを改良してマグネチックが良い音で鳴る様であれば、ダイナミックスピーカー等を作った意味がなくなる。そんなに良ければ、今でも作っている筈である。

今でも売っていないのかと言うと、そうでもないのであるが、病院の売店で、テレビ用のマグネチックイヤホンが売られているのは確かである。しかしながら、振動板が紙ではなく、鉄板で、所謂レシーバであるが、一応マグネチックである。

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改造は至って単純であるから、さっと仕上がった。

ただし、UX-45がどれ位流れるか分からないから、持っているマグネチックで試験してみると、1kで24V出ていたから、24mAである。

国産の古いセットに使われていたUX-12Aであると、8mA程であるから、その3倍も電流が流れるから、切れ易さの危険度は幾分上がると思われる。

UX-12Aでもうるさい程に鳴るから、45でなくとも良さそうな気はする。

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試験に使ったマグネチックであるが、コイルの引き出し線がフレームに接触、漏電していて、マグネチックを触りつつシャーシに触れたら、久しぶりにドッカリ感電した(^ω^;;)

250V程であるか、DCは随分とショックが大きい。痛い程ではなかったが。

少し前にも、ウェスタンラボの作ったフォノイコライザのブロックケミコンを通電中に触ったら、フロートして回路が組まれていて、100数十Vのショックがあった。剥き出しでブロックを並べた簡単に感電する最悪なセットだったが、まだまだ易しい。

その昔に500Vを触った事があるが、あれは腕の付け根迄ショックが上がって来て、半日くらいは痙攣が止まらずピクピクが続き、次の日は酷い筋肉痛で、後々迄痛いという。どちらにせよ感電は御免であるが、350Vを超えた辺りから、強烈になってくる様な印象はある。要注意である。

まぁ私みたいな変な人は、少し脳にバイアスが掛かった位が丁度良くなる可能性もある(爆)危険なので真似せぬ様

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ちょっと前にも試運転したのだが、水銀が幾分ガラス面にビッショリしているものだから、加熱してやる事に。

使っていなくて、水銀が酸化して曇った球になるのも良くないのだけれども、この類の球は長時間使わないと逆に劣化するとの言われがある。定かかは不明であるが。

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電圧を上げて行くと定格電圧になってもフィラメントが赤くならず、線は温まっているから電流は流れて間違えはない。

何だろ何だろとやっていたら、ワニ口がすっぽ抜けてしまった。

なんだ、折り返して圧着しただけ。

昔の電話機と同じ製法だったか。

10Aはこの線では酷な雰囲気があるが、ハンダして線抵抗を減らしてやれば、変に熱くなる事もなかろう。

このワニ口は、新しい内は接触抵抗が低いが、暫くして、表面が酸化してしまうと幾分接触抵抗が大きくなる。

ダメになったら新しいのを買ってくれという事なのかも知れないが...
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