A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

マグネチック アンプの続き... Westernの陣笠

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昨日から試聴していたが、やはり24mAは100年以上経過した物を繋ぐには、流れ過ぎの様に思って、幾分減らせないか検討。

250Vタップを220Vにすると、UX-45の電流は20mAになったが、暫し歪みっぽいか。

初段の6C6が影響があるのか分からないが、良くなさそう。

250Vタップに戻して次に考えたのは、Bマイナスを浮かして-Cとした古風な自己バイアスの回路構成であるから、B+にリーク抵抗がない事も含めて、5mA流してみて、-C電圧が増した分、カットオフに働くか見ると、20mAになった。

45自体の定格は35mA前後で2W得られる球であるから、マグネチックには大き過ぎる様な印象もある。

UX-12Aであれば、0.3Wもないが、うるさい程に良く鳴る。

シルバニアのデーターブックには、ロードラインの記載が無かったから、-50Vを超えた位置で、どの程度スイングするか分からないが、先程よりか歪みはあまり感じられない。

しかしながら、所有のマグネチックが幾分質が悪いか、機械歪みが多い事は間違えなさそう。

良し悪し左右するのはソース次第という印象である。

低域が入れば歪むし、特定の周波数で金属鳴きを起こす。

調整次第で金属鳴きは止むかも分からないが、持ち味の近い固有の物と思った方が良いであろう。

簡単な構造な物程、調整が案外シビアで難しい物だったりする。

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結局の所、Bの安定化の為にもリーク抵抗を入れる事で、充電も電源を切って3秒程で40V程迄に下がるから安全面でも良かろう。

マグネチックには20mA流れ、たったの4mAしか減っていないが、これ以上減らそうとすると、-Cバイアス抵抗の発熱量とを考えると、そもそもの球を変更した方が良いのではないかという結論に至りそうであるから、止めておいた。
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6C6のキャップは、頭直にハンダしているのかと思ったら、大きさが不可思議で、少し回してみたら、なんて事ない、金属キャップであった。こんなキャップも有るものかとナカナカ関心。

プレートキャップであると、少々怖いが(^ω^;;)

 

 

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納品しに行って、個々のマグネチックを聞いたが、特にこれと言って大きく変化は無かったが、コンデンサでDCカットをした方は、幾分か低域が豊かの様で、ブンブン鳴る印象。

プレートとBの間に直に入れる方式では、振動子が励磁され、吸い寄せられる為か、低域が出難い印象であった。

その中でも、Western 540は低域がズンドコ出て来て、マグネチックらしくない、Wide-Rangeのダイナミック型の様な音がした。

これは“良い音”なのかも知れない。

しかしながら、小音時からガサガサとした音がして、濁っている。

バランサーの具合が悪い時の症状とはまた違うから、振動子に屑鉄が寄っているのではないかと推測、許可を貰ってバラした。f:id:A2laboratory:20201108192558j:image

案の定、ギャップ内に錆びた鉄片が寄っていて、これらが振動に影響を及ぼして、音が濁っていた。

マグネットで砂鉄やら、錆びた鉄片を吸い寄せるから、致し方ない。綺麗に除却して組み戻す。

組み戻し方にも、ちょいとコツが必要である。

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バランスに問題がないか、信号を入れて試験し、問題のない事を確認。

センターをコーンに止めて鳴らしながら、一番良い音になる場所へマグネチックユニットを動かし調整する。

位置によって中高音の“シュー“音が回転して聞こえ、アジマスの様な具合であるが、ピタリと来たからと言ってハイ上がりになる訳ではない(^ω^;;)

ナローではあるが、カバーしている帯域の特性が上がり下がりすると言った雰囲気。

太い低域が入った時に、フレームとコーンを接続した部分が多少鳴くが、当時は今時の様な太い低域がズンドコ鳴る様なソースは無かったと思われる。

これにて完了。