A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/02/10 隈取モーターを作るpt2

f:id:A2laboratory:20200210125853j:image

ガラ箱を探したらトランスを実験的に作ったコアーが有ったからこれを再加工して使う事にした。
f:id:A2laboratory:20200210125902j:image

作った回転子を合わせて回してみたが、僅かエラーがあって、回るが音がするから、オリジナルがどうにか使えないか、ヤットコで掴んで回してみたらバラせた。

こういう時はボンドは都合が良い(笑)

f:id:A2laboratory:20200210125858j:image

内歯車が使えれば、都合が良いからガラ箱にあった歯車をバラして、作る事に。

f:id:A2laboratory:20200210213734j:image

バラしたシャフトは2.7mmで、内歯車の内径は2.35mmであったから、これだとキツ過ぎるから、2.45mm迄削って圧入した。

先尖りは前回同様に削った。
f:id:A2laboratory:20200210213731j:image

サイズを合わせて作ったから、板へ挟む事が出来る様になった。

借り回ししてみて、スムースな事を確認。

やはり合っている歯は良い。
f:id:A2laboratory:20200210213737j:image

コアーを加工。

隈取コイル用のスリットを切った。

手でも1mm残してスリット切り出来るモノなんだなぁ(笑)

歯が1mm位ある。
f:id:A2laboratory:20200210213739j:image

ハーフトラック ヘッドが作れるかな?(^^;;

技術ノートによれば、ヘッドギャップは、ギャップ面の片方にハンダメッキして余分を叩き落とした表面は25μmか30μmになるから、これを合わせて研磨すれば、録再ヘッドが完成する。

削除ヘッドは、ダブルギャップにして60dB以上の削除率を稼げる様子。

2020/02/09

戸上電機の時計、続編。

f:id:A2laboratory:20200209110242j:image

風切車の合う1つくらい、ガラ箱に有るだろうと掻き分け探すも見当たらない。

こりゃ参った。全部ひっくり返して調べたら、3つ程あったが、小さいタイプはドイツ製であろう。他2つは国産だがやはり合わない。

f:id:A2laboratory:20200209110238j:image

仕方がないから、合う歯数で合わせる事にして、時報側の歯切りは、一般的な古い国産の構造は、7歯か8歯の様子。

8歯は噛み合わせるとゴトゴトとエラーがあって、サラリと回らず、此の儘回すと歯の磨耗が激しくなるであろう。

少し噛み合わせを離してもやはり変わらないから合っていない。

7歯はシックリで、少し離すとサラリと回る。

7歯の歯車が時報3番車であるから、カシメてある外歯車を外して内歯車のシャフトの位置を叩き寄せた。

上の図がその叩き寄せて合う様に作り替えたシャフトである。

f:id:A2laboratory:20200209110236j:image

シャフトを加工して先尖りに。

点支えで極限に摩擦抵抗を下げる。

後は回転盤を作る。

上のカラが付いたのが今回の機械に付いていた物であるが、かなり状態が悪い。

先尖りも丸まってしまっていて、ベルトで寄せた為か、ガイドに擦った傷がある。

もう片方は切ったまま、少し丸めた様な状態。

これがオリジナルの回転子なのか不明であるが、噛み合わせは良い。

数えると7歯である。

f:id:A2laboratory:20200209110232j:image

良い厚みのアルミ板が無いから、アルミ缶を叩き伸ばす事にした。
f:id:A2laboratory:20200209110245j:image

ドーム型から、平らにしようとすると、周りを伸ばさないとならないが、限界がある様で2箇所ヒビが入ってしまったが、機械に合わせて切詰めるから大丈夫であろう。

f:id:A2laboratory:20200209155111j:image
f:id:A2laboratory:20200209155115j:image

カシメるか考えたが、ハンダの方が後から何かという時に便利かと思って。

 

後はコアーとコイルであるが、構造的には隈取型であるが、積算計の誘導型の様な形状をしている。

f:id:A2laboratory:20200209185510j:image

これがオリジナルのモーターである。

強いトルクは不要で、数日掛けてゼンマイが巻き上がれば、その反発力で停止する程度の具合で良い。

完全にゼンマイが解れている場合は、ある程度を手で巻いてやらないとならないが、停電から1週間は動き続けるから、定めし電氣巻様式としては最長と思われ。

通電中は絶えず追い巻きしている動作をする。

消費電力は1Wで、マツダの電気時計よりも1W少ない。

 

f:id:A2laboratory:20200209190332j:image

バイスに回転子を挟んで、2つのコイルを近付けたら回るのかやってみたが、Cを挟んで位相を変えても、コアーがループする様な形状でないと回転しない事が分かった。

リレーやソレノイドが、外枠を使って一周する様な構造だから、どうかなと思ったが、ギャップが出来る位に寄らないと上手くない様子。

また、主のコアーに対して、主と補助が1/2のコアーサイズで向き合っていないと、やはり回らない。

単純な構造であるが、結構シビアーな様である。

さて上手くいくかな。

2020/02/08 戸上電機 電氣巻時計

f:id:A2laboratory:20200208180835j:image

戸上電機のベルタイマーは数年に1度程度巷に現れる事があるが、単なる電氣巻時計、時計としての品物は今迄見た事がない。

やはり今回も精工舎のケース、機械を改造した品物である。

然し乍ら、不自然な文字盤。

昭和5年というと、アラビア数字が我國では一般になっている時代で、ローマ字は年代が合わない気がする。

そう思って見たら、やはり貼り合わせてあった。

下にオリジナルが残っていて、見たらアラビア数字のSeikosha、所謂標準であった。

振り子は戦時中になれば、木竿にガラス玉の様式であろう。

竿の短い振り子が付いてきたが、これでは進み過ぎになるであろう。

大正期か明治期の精工舎のショートドロップ用と見受けられる。付属の巻き鍵も、ショートドロップ向けと思われし。

f:id:A2laboratory:20200208180827j:image

肝心のモーターは魔改造レベルに、電動裁縫機、singerの物が取り付けられている。

台座が割れて破損したからか、針金で固定するという、何ともチープな出来栄え。

元々は、アラゴの円盤同様に1Wの微トルクで廻す構造であるが、55Wのモーターで強制的に巻き上げちゃおう という、力で何とかしようという荒いやり方。

f:id:A2laboratory:20200208180825j:image

内部はモーターが横付けしてあるから、左が重い。

だから、右には鉛管を背負わせて均衡を保とうという事らしい。

こちらも針金細工である。

こうやる前、オリジナルの状態で手放してほしかった。

穴は開いちゃっているし、ボンドは凄いし、綺麗じゃない。

真っ当に分解掃除して手入れしていれば、其の儘のモーターで問題なく動き続けるハズなのになぁ。

壊してからだと元に戻すのが大変手間である。

f:id:A2laboratory:20200208180830j:image

モーターは何時迄も巻いているとゼンマイを切ってしまうから、50分から正時の約10分間スイッチが入る様に仕組んであった。

試しに通電してみると、動くが何やら接触が悪い。

何だろうかと思ったら、端子もヒューズも銅線も、ボンド付け(ーー;)

こりゃ接触悪いわなぁ.....

というか、良く動いたなぁ......

ハンダ付け位しろよ...(ーー;)

針金にボンドに、直そうとしているのか、何をしたかったのか分からないから、全部撤去。

機械以外廃棄。

f:id:A2laboratory:20200208180838j:image

木工の小細工は上手いが、配線や機械技術はまるで不適切。

機械は上板が反り返って歯車を潰して重荷になって廻りを悪くしている。

そのくせ給油は一応されているという、やはり何がしたいのか意味が分からん(ーー;)

マイナスの事をやっておきながら、プラスにしようと頑張るが、マイナスが勝ってしまっていて、どうしようもない。

時計部は何となく動くから、補助用の巻き穴からゼンマイを巻いて使用していたと思われる。

電動の意味が全く無いという残念な状態。

f:id:A2laboratory:20200208180820j:image

機械のアラゴモーターシャフトの板にもボンド付けが凄くて、剥がすのに一苦労。

その後、真鍮の用途不明な曲がった棒がカシマってあったから、ボール盤で削ぎ落とした。

板はグニャグニャになっているから、これは叩き直しする。
f:id:A2laboratory:20200208180818j:image

洗って気付いたが、ホゾ受けには、黒いガラスが入っている様で、黒光りしていた。

片方が強く締め過ぎたのか、欠けていたが、すり鉢状には形残っているから、先尖りにすれば、何とか使えるであろう。

コアーとコイルボビン、回転盤、シャフトを作らなくてはならない。

シャフトは歯切りが必要だから、5番車、風切車をガラ箱から見つけて加工する事にする。

回転盤はアルミ板を、コアーとボビンはどう作ろうか。

コイル巻機はあるから、巻くのは苦はない。

コアーを作るのが悩ましい。

2020/02/07

f:id:A2laboratory:20200207210900j:image

前々から気になっていた、W.E.WestrexのRA-1474。

ラインアンプとして使う方が多い様だが、これには3種類のイコライザカーブの等価様に設計されていて、単なるラインアンプではない。

従って、単なるラインアンプとして使おうとすると、必然的に出て来る音は特性がデコードされた音であって、音が変わった云々の話ではないが、型番の末尾がF2の物はNo post EQ. とあるから、フラットなのかも知れない。

ただ、フラットな様には見えない時定数のフィルタが組まれているが、トランスの癖を補正しているとすれば、フラットなのかなと推測。

自分の写しには、Mag. Reproducerと書いているから、サウンドフィルム(トーキー 映写機)のデコード用ではない様子。

 

回路にある、入出力トランスを入手して来ても良いが、生憎財布がカラで日本円が無いから、トランスレスに置き換えて作ってみる事にする。

 

手っ取り早く、球カバンを見たが、12AY7がそもそも無い(^^;;

テレビの12BY7はあるんだけどなぁ(^^;;

双三極じゃないからなぁ

データーシートを見ると、大体μは40程度らしい。

12AV7と12AT7の辺りだろうか。

AY7で設計しておけば、Pdは1.5W以内で、V7(2.7W)でもT7(2.5W)でも問題はなかろう。

 

終段はOPTで600Ω出しであるが、PPにしていて、パワーを得ているが、上のプレートに出た信号を下段に入れていて押しているから、A級であろうが、マッチング具合が塩梅悪そうな気がする。

カップリング無しで繋げたカソードフォロアで押して出力とすれば、良いであろう。

NFデコード部分は、元と同じプレートからカップリングで帰還させる。

 

まぁとりあえず実験してみて、どんなカーブの音がするか聞いてみたい次第である。

2020/02/06

f:id:A2laboratory:20200206234516j:image
f:id:A2laboratory:20200206234519j:image

アラゴの円盤。

アルミの円盤に、溝切りしたコアの一方にコイルを巻いた物を円盤に通し、通電すると一方方向へ回転するというもの。

トルクは僅かであるが、良く回転する。

回転方向はフレミングの左手の法則による。

 

自動巻機構とは、また面白いもので。

2020/02/05

商店連合会の集まりに出たりして、正装だのでゴタゴタ。

御酌でお酒が結構入って、酔っ払い。

 

f:id:A2laboratory:20200205204031j:image

帰ってから、カップリングコンデンサレスでアンプが組めないか検討してみたりして。

SG結合は珍しい方式だけど、増幅率は多分、相当悪い事と思われ。

1倍あるかなぁ...

出力段を半波になるけど、組めば、コントロールグリッドと結合出来そうな気がして。

時間あったら実験してみる事にしましょう...

2020/02/04

f:id:A2laboratory:20200204194552j:image

TV-12にて、大きい球をテスト中、ヒーターが切れて、球が不良というだけなら良いのだが、チェッカーのラインチェックがゼロを示さなくなり、エミッションチェックもかなり低い数値が出るという不具合が生じた。

この手のポータブルで大きい球は無理があるのは分かっていたから、トランスを焼いてしまったが心配だったが、問題なかった。

f:id:A2laboratory:20200204194600j:image

抵抗を調べると、2.2k指示が実測7kになり、半分焼けて、抵抗値が増している。

交換すると、やはりラインチェックはゼロを示さない。

しかし、エミッションチェックでは予めチェック済みの良品を使うとGoodを示す様になった。
f:id:A2laboratory:20200204194602j:image

インチェックとエミッションチェックは別回路で成り立ち、エミッション回路は交流を印加して、球の整流具合でメーターを振らす。

簡易的には思うがGm試験を含んでいそうであるが、主は電流の流れ具合であろう。

ライン回路は、ダイオードが挟んであり、直流でメーターを振らす。

R、Cは問題がないから、Dがショックで飛んだかと思い、テスターで測ったが、ダイオード自体は機能している様だが、少し順電圧の抵抗値が高いかな。

逆電流は阻止出来ているから、AC漏れを起こしている様には思えない。

また、指針も交流的に振動していないから、直流にはなっている事と推測。
f:id:A2laboratory:20200204194557j:image

とりあえず、他に怪しい部品がないものだから、交換してみるとゼロを示す様に元に戻った。

原因を考えてみると、電流が流れるヒーターが切れ、切れた時に生じたアークがラインチェック回路に飛び入り、シリコンダイオード飛んだと考えられるが、それなら昔ながらのセレンの方が余程丈夫かなぁと思ったり。

特にトランスはインダクタンスだから、瞬間的に大きい電流が途断える事で、大きな逆起電力を生じた事であろう。

ソケットの接触不良も、大きい球となると危険が潜むと考えられる。