A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/02/04

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TV-12にて、大きい球をテスト中、ヒーターが切れて、球が不良というだけなら良いのだが、チェッカーのラインチェックがゼロを示さなくなり、エミッションチェックもかなり低い数値が出るという不具合が生じた。

この手のポータブルで大きい球は無理があるのは分かっていたから、トランスを焼いてしまったが心配だったが、問題なかった。

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抵抗を調べると、2.2k指示が実測7kになり、半分焼けて、抵抗値が増している。

交換すると、やはりラインチェックはゼロを示さない。

しかし、エミッションチェックでは予めチェック済みの良品を使うとGoodを示す様になった。
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インチェックとエミッションチェックは別回路で成り立ち、エミッション回路は交流を印加して、球の整流具合でメーターを振らす。

簡易的には思うがGm試験を含んでいそうであるが、主は電流の流れ具合であろう。

ライン回路は、ダイオードが挟んであり、直流でメーターを振らす。

R、Cは問題がないから、Dがショックで飛んだかと思い、テスターで測ったが、ダイオード自体は機能している様だが、少し順電圧の抵抗値が高いかな。

逆電流は阻止出来ているから、AC漏れを起こしている様には思えない。

また、指針も交流的に振動していないから、直流にはなっている事と推測。
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とりあえず、他に怪しい部品がないものだから、交換してみるとゼロを示す様に元に戻った。

原因を考えてみると、電流が流れるヒーターが切れ、切れた時に生じたアークがラインチェック回路に飛び入り、シリコンダイオード飛んだと考えられるが、それなら昔ながらのセレンの方が余程丈夫かなぁと思ったり。

特にトランスはインダクタンスだから、瞬間的に大きい電流が途断える事で、大きな逆起電力を生じた事であろう。

ソケットの接触不良も、大きい球となると危険が潜むと考えられる。