A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

利得10倍 カスコード接

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エーコン管を使うAFアンプは恐らく数少ないのではないのかなと。

専ら、RF5mか0.5m帯らしいからVHF、UHF用途に開発された球と思う。

AFの表記もあるが、戦前開発の球であるから無線機用途で小さくしたのであろうと推測。

AF的なマイクロホニックが云々ではなさそう。

もしかすると戦闘機に使われていた可能性もあるのかな?

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それで、UN-955はμ25、6F4がμ17

この小ささであるから、フォノEQにマイクロホニックも少なくて実用的であろうと思っていたが、このゲインであると今一般の2段では不足。

当時の高出力Mag.であれば200mVは出るから、2段でも十分実用的であろうが、今のP.Uは5mV程々。

大きい信号の溝で150mV出る物もあるが、それはピークで、平均値ではない。

でもって1kcで-20dBも減衰するから、やはりゲインが足らない。

段数を増やしても良いが、増やしただけマイクロホニック+雑音が加算されて特に熱雑音はホワイトに近い雑音が耳に付く事になるから、出来るだけ段数を少なくハイゲインにした方がコストも雑音も少ない。

もっと昔は1:3とか1:6のIMTで持ち上げていたが、それも今の微小信号に対しては、有効の様には思えないし、トランスの癖を其の儘使ってEQにしていた頃とは違う。

それで、無線と實驗にあった、利得1500倍というカスコードの使い方を元に、下段10倍の回路が成り立つのか実験してみた訳である。

記事では12AX7を用いていて、X7自体がμ100あり、gmの特性から1500倍利得になるそうである。

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6F4はμ17であるから、10mV入力すると、170mVの増幅率である。計算上。

それをカスコード接で、10mVを入れて1V得られたから、μは100になった。

 

しかし良く考えてみると、μ17であるから、2段にすれば289倍。

カスコードは上下で直接接続でコンデンサやらの個数は減らせるが、バイアス管理とがあって、どっちが良いのかまだ分からない。

雑音の面では、低電圧で使っている方が有利なのかも知れないが、やはりこればかりは実際に試作品を作ってみないと良し悪しは判断付かない。

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Ebbの電源自体が年代物の807レギュレータの安定化電源であるから、リプルが残っていてそれが20mV弱。

増幅されると200mV弱あるから、雑音も10倍されている。

要は初段の電源供給はかなり綺麗なものでなければならないのは言うまでも無い。

パワーアンプであれば、利得は少なくて良いから、アマチュアが日曜大工的に作った物でも物になる。

昔からフォノやラインはメーカー製を買った方が良いというのは、そういった部分から来ていて、今はそんな小難しい事をやらなくとも、オペアンプで事が済む時代なのかも知れない。

兎にも角にも、ゲインが高い=電源が良く無いと使い物にならない。

幾ら球が良くても、評価をするに値しないセットを作っては球が泣く。

かく言う自身は大分泣かせて来たし、今も継続的に勉強中、いえ、作り続ける以上は、勉強の繰り返しなのであろう。

そうでなければ、こんなに色々なセットは存在しない。完成しないから色々やる訳で、それをやっている事が楽しい人にとっては終着点が見えない方が良いのかも知れない。

安く良い物が欲しいというお客さんにとっては、非常に厄介な分野だ。(メーカー製を選びなさい。という部分に戻る)

 

 

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時定数を変更、実験を進めるとμ150出る事が分かった。

ただ、カスコードにすると特性的には如何なものであろうか。

高域は僅かにゲインが減少しているのは、高周波に近付くにつれてバイアスが掛かる様な具合で変動するからかも知れない。

 

 

一休みして、バイアスを安定的に同期させる様に色々考えたが、調整が必要になる。

ゲインの大小がそこで決まるから、ゲインコントロールにもなって良いかとも思ったが、少し外れるとそのゲインが大きく変化を起こすから、カスコードは要研究でレポートだけつけておく事にして、普通使いで、ヘッド部分はセラミック管をノイマン方式で動かしてみる事をやってみる事にする。