ダイナベクターのパワーアンプ、搬出予定日が先だったから、先の物は寝かしていたのだけれども、近くなったから試運転を。
出音は、コントラストが効いてる様に鮮やか。バーンと全帯域が面で出る様な印象。
低い方も充実していて、コントロールアンプの逆さの様な印象。
高域はシャリっとしてキツイ位に飛び良い突き刺さる音が出る。
ただ、平面的な印象で、位相の回転が抑制されて、球らしい音ではない様な印象。トランジスタに近い高忠実さ。硬く重い。
ただし、DC増幅は不可能であるから、その辺りは石の直結回路とは異なる。
それと比べて、手製のPT15 AB2は、モヤっぽく感じた。ハイは柔らかであり、出ていない事はないが、カメラで言う所の、レンズが少し曇ってフォギーが掛かっている様な印象。
低音は一歩引いている印象があり、重い低音は引の良い具合で、ブーンブーンとやらないから、体感的に出ているという印象はないが、普通一般よりか出ている。
僅かにリバーブ掛かってる様な残響の含みが多くなってる様な、フワリとした柔らかさを持ち合わせいる一面を思った。浮遊感というか。
おそらくこの辺りの感覚は、ステレオで位相が回って立体感を思わすのであろうと考える。
同時に中高音が出易いから、拡声器風録音がよりそれらしい音がする。制動が甘くなって、出易くなる帯域なのであろう。
とは言っても、薄くNFBは掛けているから、無負帰還とは違う。
小さい信号がより大きくなるのはペントードらしい特徴とも言えるであろう。後ろのコーラス、細かい音が一歩手前へ来た印象はある。
対してダイナベクターは、ソースに忠実なのか、引き気味の様に思ったが、これが標準か…?
スタジオでどんな音で仕上げているのか確認しなければ、この辺りは分からないが、KT88のSGもNFを掛けて、三極らしくしているとも言えるだろうか。
DVは1976年だから、デジタル時代の少し前になるが、硬い音が好まれた時期で、カチカチコーンの力で押し込むユニットが出て来たから、それに合わせているとしたならば、時代に合わせたとは思う。
ガチっとしたコーンのユニットを駆動させるのには、この位の馬力は無いとスピーカーに負けてしまうかも知れない。
一部気になる部分。
ワイドレンジ出力ワッテージメーターであるが、これの内部回路が暫し完全ではない。
これは壊れているという訳ではなく、当初からの設計である。
その意は、vcインピーダンス切り替えに、4-8-16Ωと切り替えがあり、OPTのインピーダンスを切り替えをしているのであるが、この切り替えに対して、メーター回路は補正を行っていないのである。
従って、8Ωの時に、20V送っていれば、50Wになるが、それで4Ωのスピーカーに変更し20V送ると、それは100Wであり、16Ωでは25Wになるのである。
そのレンジ切り替えが、このインピーダンス切り替えswには含まれていないのである。
従って、8Ω時の出力に合わせたならば、4Ωを接続するならば2倍。16Ωであれば1/2換算をしないとならない問題点がある。
それともう1つは、スケールに対して、対数圧縮回路が合っていない事である。
メーターレンジはボタンswで、恐らくX1レンジ、X10レンジなのだと思われるが、これもまた表記が無いから、何倍にしているのか分からないが、これも調整範囲が不思議で合わなかった。
GASのメーターの様に飾りなのであろう…。
PT15 AB2の裏側を久しぶりに。