A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

大きな出力変圧器 山水電氣 HW-732

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ガード下、山本無線のハコで気になってたのを買って来た。

巨大で重い、強靭そうなOPTである。

終段に何が付いていたのか分からないが、8kppでULsg端子があるから、ビームで間違えない。

戦前とすれば…

UY-807…そう言った具合であろうなと。

並べても807が小さい小さい。

これの電源もチョークも、お似合いに大きい物が搭載されていたに違いない。

超高級、相当に良質な音が出ていただろうなと想像。

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然し乍ら、不思議とその筐体の大きさに似合わず、出力20Wと打ってある。

最大インピーダンスが16ωで、その時の20Wであろうから、E二乗の割ることのRe=17.88≈17.9v

10ωで32w

7.5ωで43w

5.5ωで58w

3.5ωで91w

2ωで160w

1ωで320w

と計算になるから、8ωでは40w程のOPTに相当する。

それにしても大きいなぁ。200Wはありそうなコアだ。
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山水電氣株式會社とある時代に、サラネジがプラス頭で、もしかすると、中身は小さいコアの物に入れ替えて、石でも詰めた可能性も無くは無いかと疑って、買って早々に会社で解体してみた。

どうやら外装は体裁良くやってあったが、この具合からすると、畦道の傍にブンながってあったのかも知れないし、戦前のPA拡声器の物だとすれば、戦時中に雨晒しになるシーンがあった可能性も無くは無いのかなと、勝手な想像。

ただまぁ良く出来てるもので、コイルは断線していないし使えるだろう。

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払ってやるとピッチが綺麗に出て来た。

サビは絶縁を悪くするから払い落としておいた方が良いであろう。
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8ω10Wのコアと比べても倍以上。

200W級に近い印象。

 

807でどの位鳴らせるかやってみる。