A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

SL1の不思議な回路

フィラメントの配線は済ませて、後は増幅を組んで…という流れであるが、回路の計算が実際にどの位当てはまっているのか、急に心配になってPC上のシミュレーションにて実験してみると、RIAAは綺麗に+20dB、0dB 1kc、-20dB、とカーブを得られたが、ライン部分は不思議と10kc以上が急激なカットになっている。

元々、そういう時定数の方が現実には20kc迄フラットが得られるのか分からないが、値段が値段の代物(当時価格1,500,000円?)であるし、そんな不安定な物じゃ無いとは思うが、まぁまぁシミュレーションと現実は幾分差があるのは分かってはいるが、かなり気になりどころ。

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まず入力のストッパー抵抗を通った時点でハイ上がりになっていて、1段目を出た時にはハイ落ちした波形であった。

μ型カスコードのCの容量は3μFであるから、これを下げると低域がグッと下がって高域が持ち上がるが、かなりシビアに動くから、ここで調整するには安定が悪そうである。

次いで、カスコードの下段、カソードデカップリングの330pfを大きくすると低域が上がって高域は下がった儘であった。
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ならば、1段と3段をフィードバックしている間にローパスを組めば、ハイのフィードバックが止んでフラットに得られるかと実験したが、上手くなかった。

 

もしかするとと思って、繋がれるケーブルの容量を考えて、仮想的に入力にCを入れるとフラットが得られた。

なるほど。

線容量で高域が出たり出なかったりする。

要は、高級(?)な容量の大きい様な太くて絶大なケーブルを使うとして高域が上昇して、シャキシャキし出す。

逆に安いシールドの甘い様な、シールド無しの様な線を使うと、高域が下がってモコモコする様である。

 

…とまぁ、ここ迄はシミュレーション上の事であって、実際に組んでみて、そんなに大きく変化を起こすかはやってみなければ分からない。

 

が、ある意味でケーブルによって様変わりを起こし易い、分かり易く設計されている可能性も、高級オーヂオともなれば、無くはないのかなと薄々思う節もある。

安定性で言えば、業務用とはかなり掛け離れた代物とも言えそうである。