A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

UX-50 push-pull 実験

先日に続いて実験。

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UY-27をもう1段追加し、完成状態と同じ段数でバラック実験。

UY-27の2段はB共通で実験しているから、最も簡単にB+を経由し発振し易い状態であるが、入力から距離取ると安定しているから、此の儘実験を続ける。

チョークを机に並べる余裕がない(^^;;
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UY-27のカソードのデカップリングの容量を0.1μF以下にして、ハイパスする様にやったり、過去の経験から調整する方法をも試したが、6kcより上は、どう足掻いてもフラットに鳴らす事は困難で、6kc-20kc迄直線で下り坂になる。

フラットが無理ならば、柔らかなカーブを描かせる事は出来ないか、色々検討をして、最終的には入力でハイパスフィルターを組んで強制的に10kc付近を持ち上げる事で、より自然に鳴らないか試すと、随分と明るく出来た。

しかしながら、入力信号はかなりの減衰をしてしまっている。

それだけ落ち込んでいるのを持ち上げる…というか全体を落ち込んでいる場所近く迄落として合わせるという事は、損失が発生するのは致し方ない。

というか、そこ迄して現代ソースを鳴らす必要があるだろうか…

難しい選択であるが、スイッチでOLD78-Wideを選べる様にするのが親切であろうか…

 

オーバーオールのNFBは、トランス結合で全段やっている物で見た事がないが、出来るのかやってみると、結論から言うと出来ない。

発振し易い状態であるし、現状回路に問題がある可能性も十分考えられるが、位相が進んでいて合わないらしく、帯域の一部が打ち消され、音は僅か小さくなるものの、洞窟の奥で鳴ってる様な高域が鳴る様になった。

かなりのクセがある音である。

もっと多くを戻すと、その癖のある高域が立ち上がって来るが、ある所を超えるとピーと発振を起こす。

PFBでは中高域が持ち上がり、ある程度行くと、ポーと低い発振を起こした。

オーバーオールNFBは抵抗結合の場合であれば有効であるが、変圧器結合の場合は無理難題である。

1段ずつでフィードバックさせる事は可能である。


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1日通電しっ放しで、アレコレ繋ぎ変えたりハンダしたりやっていたが、今日の終いにB電圧を確認すると、410Vだった電圧が470Vに上がっているではないか。

どうやら、UX-81のエミッションが上がってきたらしい。

使っていないと、エミッションが下がるのは傍熱管ではあまり経験がないし、5Z3でも経験がないが、送信管と古い球はエミッションが下がっている事がある様で、使っていると次第に元気になる事がある。

フィラメント点火だけでなく、幾らかでも電流を流して電子の行き先をプレートへ当ててやった方が良い。

行き先の無い電子を出して、其の儘にしない方が良いと聞いた事がある。

エージング器(?)テスター(?)なる物があるが、あれはcgに+バイアスを印加して強制的に電流を多く流す物で、A2級にかなり耐えられる様な物でないと、宜しくないやり方であるから、そう言ったものでエージングをやるとダメージが大きく寿命が縮む可能性がある。

エージングであるから、やり過ぎれば、寿命を全うするのは言うまでもないか…