A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

巻き方、コアの組み方

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VT1、VT2アンプのトランスの続き。

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入力トランスの特性を調べると上図だった。

1kcから下がり始めるから、ナローに聞こえていた事であろう。

また8kc辺りにピークがある。
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1:3ppの段間トランスも調べる。

内巻き側の方がハイが緩やかな衰退で済んでいるが、外側は急激な降下を示している。

しかしながら、緩やかな衰退に対して、まだフラットに近い様な特性であるから、これが1/2で働く場合には、最終的な整合性は2つの間をとったものになるかと思われる。

球の特性にも最終的には左右されるであろうが。

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一般市販の同じコアの物を試験すると綺麗だった。

しかしながら、直流を印加すると低域の衰退が大きくなる。

クラーフ結合法による使い方であれば、この特性が得られる事であろう。
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入力トランスは、特殊なコアの組み方をやっていたから、一般の物と同じく組み合わせてみると、かなり特性が良くなった。

コアの組み方1つで、全く別物の様になる。

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段間トランスが、ハイ下りであって、これはどうにもコアの組み方を変更出来ない(磁化してしまう為)から、入力トランスでハイ上がりにする組み方を発見したから、総合特性で最終的にはフラットに近く持って行く事が出来れば良しとする。

段間でもフラットを得るには、ピアレスのやっていた、交互巻きをやると直流を入れても入れなくても使える様式になる。

巻線でDC磁化打ち消しをやる方法が考えられる。

そうでない場合はギャップを設ける方法が普通であろう。

コアの量は同じ、組み方を変えるだけでこうも変化を起こすのは、また面白いが、それだけ不安定要素が強い部品という事が良くわかる。

音の違いを楽しみたい人達にとっては、CRよりもトランスを変えるべきと考える。顕著に変化が起きるから、かなり楽しめるであろう。

作る側からすると、非常に面倒、厄介な部品ではある。