A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/05/16

f:id:A2laboratory:20230516233539j:image

ここ半年だったか、次第に振り子の振幅が狭くなって来て、目盛の2以上に振っていたのが1を少し超える程度に。

でもって毎日5分以上進む様になって来たから、OH時期を知らせているなとは思っていたのだけれども、まだ動くから…と動かしていたが、ホゾが減っても嫌だから重い腰を上げた。(毎日5分遅らすのも面倒(^ω^;;)

元々かなりの精度で動いていたから、振り子は一切触っていない。OHすれば元に戻るであろう事を鑑みて。

f:id:A2laboratory:20230516233545j:image

前回OHは2014年…9年前である。

ホゾが赤サビの様な具合になっていたが、減ってはいない様子。

どうやらくれた油が真鍮とで(?)空気とで(?)酸化した様である。

他も同じく赤くなっている箇所があったが、流動的だった。かなり粘度は高い。
f:id:A2laboratory:20230516233537j:image

茶色かな。

路面は無舗装でもないし、埃っぽくなる事はないから、砂埃はない様に見受けられる。

給油した油が経年劣化で動作に不具合を生じさせた。という具合であろうか。
f:id:A2laboratory:20230516233554j:image

洗い、チェック、組み立て。
f:id:A2laboratory:20230516233551j:image

アンクルは鏡面に磨いてあるが、若干痩せているらしい。

停止区間の掛がかなり浅くなって、アンクルが片方パタパタと遊ぶ。

本来ならば、行ったきり。

これは微調整になっているから、少し下げて掛かりを多くしてやれば良い。

まだまだ下げられるから、あと1世紀は平気ではなかろうか。
f:id:A2laboratory:20230516233556j:image

半時はリン、正時は渦ボン

ちょっと凝った機械。
f:id:A2laboratory:20230516233542j:image

組み込み。

 

 

アンクルを見てもらうと分かるが、振った端に来ると静止、戻った時に蹴り出し、また停止、蹴り出しと、力が加わる区間は加速の時だけで、アメリカ方式の様に常に力が掛かる設計ではない。

アンクルを解放にさせて、パタパタとやる機械は停止区間がない。
f:id:A2laboratory:20230516233548j:image

とりあえずこれにて様子見。

一番古いOH歴は、昭和11年3月。

戦前の物で間違えないが、その間1オーナーだったかは不明。

私が買った時、岸和田市からの送りだったから、阪神淡路地震を経験しているであろう。

ガラスがオリジナルではないのとフリベラ台座の木端が新しい物に変えてあり、振り子の竿も割れたのを裏から補修してある。

想像するに、直下で振り子がズドン、もしくは振り子室の風防を振り子が突き破って落下。

振り子の落下で竿が砕けたと思われ。

我國は地震は多いし、関東もそろそろ覚悟していないとならないであろう。

まぁまぁ壊れても直せば良いから、そういう面ではタフであろう。