A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

放送局型123號

修理預かり品。

会社で部品交換で済む修理は特に手っ取り早く済むから、特にネタというネタでもないのだけれども、今回はそう簡単には進まない。

前のオーナーが回路を変更したのか、良く分からないが、回路図通りではない状態で、部品も外されていて、尚且つ配線材等を交換したとの事。

部品は現オーナーが一部外した様子。

配線は元あった様にやっているとの事であるが、回路が違うのはマズイ。

でもって、通電はしないであろう状態であるが、念の為に通電確認の有無を訊ねると、非通電との事。

色々と触りたくなるのは分からなくもないが、できれば触らないで支給の形で部品也を付随してくれた方が安上がりに済む可能性がある。

特に今回の場合は、逆に手間が増えて高くつく。という事は伝え済み。

それが高価と思う場合は、他を当たって下さい…と言う他なく…他の方が相当高い値段を言われる事とは思うのだけれども…

f:id:A2laboratory:20230312010013j:image

ハードルの高いレスの並四。バラスト管を数えるかは分からないが、まぁ並四というのが多分相応しいだろう。

局型123號は戦時中のセットであるから、終戦近く、物資が無くなってくる頃には、かなりお粗末なモノで、マグネチックのフレームも硫黄を混ぜ合わせた紙だったり。

銀色に塗っていた頃もあるけれど、銀色も最後の頃は塗らなくなった。

今回の物は、マグネチックも弄ったらしく、ギャップ不良。

これじゃ音が出ない。

とにかく、そんな感じで触りに触り回した機体で、入院扱いとして持ち帰った次第である。

f:id:A2laboratory:20230312010007j:image

今回の物は昭和17年の製造である。松下無線。f:id:A2laboratory:20230312010016j:image

問題の内配。

ビニール線があるから、近々に修理した様に見えるが、単に交換しただけという事である。

色々と問題があり過ぎて、全解体、組み直し修理が必要なレベルであるが、まずは10kの巻線VRが切れているし、タップの配線も不適当で、そもそも以前の状態で鳴っていたのか凄く気になる。
f:id:A2laboratory:20230312010010j:image

分解。
f:id:A2laboratory:20230312010018j:image

切れている箇所は2つ。f:id:A2laboratory:20230312010024j:image

かなり細いからキズミで切れ目を探す…

腕時計と同じレベルに小さい…
f:id:A2laboratory:20230312010027j:image

切れ目という切れ目というより、一部腐食が進んでいる箇所が数ターン腐っていた。


f:id:A2laboratory:20230312010021j:image

継ぎ合わせて組み立て完成。

半日費やしてしまった(^ω^;;)

 

給料カットするけど、今以上の仕事量頑張ってねって言われたら多分すぐ辞めて他探すよね。

修理代も安く安くって、そういう事と多分同じです。

すこぶる良くは仕上がらない。

良い仕上がり求めるのならば、それ相応の給料を出さないと社員は頑張ってなんか働きません。

17時からエンジン掛かる社員は稀にいます。

 

 

(笑)

 

続く