3極管と5極管の其々の長所を持ち合わせた増幅器…斬新だと思ったが、Lloyd B. Hust 氏によって既に考案されていた事が分かった。
エクステンデッドA級動作という名称になっている。
ただし、実機が無い模様で、製造され販売されてもいない様子である。
回路は殆ど同じであったが、バランサー等が各所へ入っていた。尚807を使う様である。
私は6CL6で実験的に組み立ててみたが、バランサーは設けていないが果たしてどんな動作か…
初っ端から音は出た。
しかし、その音は、ビュービューと発振した音である。
色々と発振止めを考えたが、プレートにCを入れるのも効果なし、ハイ落ちが大きくなるだけ。
それで、Rgの前にGsr(Re)を設けたのである。
これによって発振は止まった。
出てくる音は、3極接続の時の様な低域である。
フワッとしてオーバーシュートしている様なビームとは異なる印象。
小さい音の時の具合は、そんなで、次第に信号を大きくすると、今度は5極側が動作を始める。
グンと押しが強くなる様な印象があるのは、もしかすると5極のカーブの為かも知れない(?)
動作点を見て頂けるとお分かりの通り、5極ではカットオフに近く待機状態にある。
B級に近い。
3極の場合は暫し電流が流れて、AB級の様に振る舞う。
小音時には3極の効果は強いと思われる。
5極の明るい音の傾向からはやはり少し離れて、低域の伸びが良い様に感じられる。
3極でもここまで深い方へ寄るかはトランス次第かも知れないが、凄いのは、これでオーバーオールNFBを使っていない事である。
NF無しでこれだけフラットに広い帯域が得られるのであれば、コストの面では短所であるが、質は高いと見受けられる。
完成系を1台作って見ることにするが、暫しの研究は要する。