A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6SA7の新しい使い道

以前にも実験して入力許容が狭いから、御蔵入りしていた使い方があって、今に思うと、もっと電流を流して使うと良い具合かも知れないと思って、時定数を改めて実験してみた。

6SA7は周波数変換管である特性のため、2つの入力がある。

元は1つは発振用であるが、入力としても使える。

普通一般には、プレートから変調出力を得るが、スクリーングリッドが周波数変換管は第二、第四格子に入っていて独自のデザインになっている。

第三格子に第一格子と同じバイアスを印加し、0.1μF程度のデカップリングでカソードとACをショートさせる。

第一格子に負バイアスを幾らか印加し使い、ここへ信号を入れる。

この時スクリーンに反転信号が現れ、プレートに非反転信号が現れる。

第三格子は0バイアス、もしくは完全にショートでは信号が出なくなるから、500k程度でフワリとバイアスを印加した状態にするのが好ましい。

カソードで取り出すか、スクリーンで取り出すかの違いだけの様な具合になるが、後者は増幅度を得ながら、反転、非反転信号を得られる点が一般とは異なるから、初段不要でいきなりpp分割コンバートが出来る優れモノと言える。

f:id:A2laboratory:20221205154247j:image

普通一般には初段、コンバート、終段の3段である。

AB2の場合は4段で、終段の前にバッファが入る。

6SA7を使った場合には、初段を兼ねながら、プレートフォロアー、スクリーンフォロアーに働いて信号が取り出せる。

今のところ実験的にμ20が得られている。

入力許容も2Vに耐えられる。

 

6SA7以外にも、周波数変換管は、2A7、6A7、6A8、6WC5、6BE6、6D8、6J8、6K8、6L7、7A8、7B8、7J7、7Q7、7S7がある。

ラジオ以外に使うのは難しいであろうが、余って困るならば、実験で幾らか壊したって、痛くもないだろう。


§ 

 

f:id:A2laboratory:20221206155245j:image

実際に実用的なのかを実験すべく、終段は6L6でも6V6でも6AQ5でも何でも良かったが、1619が箱でガラガラしていたから1619を使った。

直熱2.5vの6V6の様な物と思う。6L6のサイズはあるが、gmが6L6の半分。

フィラメントは5Wであるから、6V6の2.8Wより食い、6L6の方が少し食う。凄く微妙な位置関係。

6V6に似ているが、6V6よりもPdは少し大きく、6L6よりも小さい。

6V6のパワーアップ版かな。

 

それで初段、p/sgコンバートを兼ねさせ、実用的なのかという本題。

音は出た。ただ大音になると歪みっぽく、ピークも綺麗ではない。

プレートとスクリーンでDC電圧差ができ、これが原因らしく、sg側はμ10が得られたが、pはμ5だった。

AC信号のアンバランスでppとしては良くない動作になって終段がB級動作時にそのアンバランスが反映された音がしていると言える。

μを低い方に合わせると5倍になるから、高感度とは行かなそうだが、本来(?)古典的(?)のパワーアンプと言えば、まぁこんな物だろう。

WEのAFアンプは何段にも重ねる訳であるし。

そんなで低い方に合わせて使えば具合良い。

但し、sg側はLパッドにATTを入れたとすれば、回線impはその抵抗に依存するから上昇するのは言うまでもない。

グリッドストッパーに働くから、A2域から遠ざかる。

即ち、A1級動作の使用用途に限る。バッファを入れない場合には。