A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

阿部式電氣時計 試作品かな。

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廃棄レベルの高い状態のを買った。

品物よりも断然高価で割高な送料をボッタくられ、どう考えてもサイズを見計らって荷造りして出荷したよねっていう。

契約だから実際はもっと安いし。

評価を見れば、常習犯だと言う事は明白だったけれども(笑)

まぁそれは良い。

状態的に、油虫の糞らしき黒い粒が物凄い多い状態で、ケースもバラバラに成り掛け。

全バラにして、まずは掃除をしないと仲間を呼ぶ類の虫だから、集っても困る。

独特の臭いはしていない様だから、糞自体も半世紀(?)とか経っているのかも知れない。

化石みたいになった抜け殻の様な物はあったから、黒ゴキかな。

どちらにしても、カブトムシもクワガタも油虫も同じレベルで苦手。

飛んだ時の薄い甘羽とか出て来る時とかゾクゾクする。気味が悪い。

実はセミも同じ感じで苦手。身のシマシマがムニムニするのが怖い。

理科で、魚の解剖をして真っ二つに割った時のエラ部分のヒダヒダとか、カニのヒダヒダとか、もうゾクゾクが止まらない。気味が悪過ぎる。

そんな感じで、ダクトの奥にある様なラジエーターのヒダヒダを見るとゾクゾクして怖い。気味が悪い。

ホテルのデカいボイラー釜で、人が入っちゃう位のを覗いた事があるけど、煤っけていてランプの光が吸収されて、良く見えないのだけど、巨大なそれが見える様になると、とてつも無い恐怖だった(笑)

思い出すだけで怖い。やめようw

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金ブラシとで落として軽く洗った。

ケースは修繕する。
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半壊位かな。

当時はどんな糊を使っているのか?

まさかお粥じゃあないよね?和っぽい感じはするけど。

それだと虫が好んで寄るのも分からなく無い様な…。

まぁまぁ、アメリカンな人にも害がありそうな位バッチリの防虫剤を散布している物よりかは、安全な様な気はする。虫が居られるという事は、人畜無害…。

そう言う意味で虫のいない野菜とか、虫も食ってないキャベツとか、人が食べて大丈夫なのか心配にはなるが。(そういう綺麗過ぎるのは買わない様にしているけれど。

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ケース接着。

結構歪んでいるから矯正が大変。

作業台が小さいし混んでいて無理があったから居間でテーブルごとクランプ。このやり方の方が、とてもハッカドール

あれ。いつの間にか終わってたの(ーー;)

Appは更新されたけれど、ニュースAppでなくなってる。前のアイコンの儘の方が良かったなぁ失敗。

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問題の部分。

試作だとか、1発しか作らない様な物の場合に、しばしアンプシャーシでも、業務用機でも罫書きがあったりして、そんなに台数作っていないな。というのが分かる時間の掛かる作り方をしている場合がある。

今回の場合は、罫書きもそうだが、機械の配置を書いた物の、それでは上手く行かない事に気付いて、作り替えた感がある出来栄え。

仮穴は空いているが、ネジは締めた痕跡はない。

別の機械を入れようとしたが、やっぱり辞めた…という感じではなく、上下を変更、更に座繰りではなく、下駄で浮かせる事にした様な雰囲気。

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下駄の部分は“百三…”と鉛筆書きがある様に見える。

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更に裏板の裏部分には、図形の様なのが書かれていて、角度を出したかったのか、何かメモかの書き込みがある。

書いた時には、比較的大きな板で、それを加工した事と思う。逆ではなさそう。

機械構造は、1時間を60ステップで進める構造だから、90°から何度ずつ進む様に歯を切れば良いかを考えたメモ書きな可能性も無くは無さそう。

ただの落書きとは思い難いが、当人が居ないから推測の域しかない。

先人がどんな様に考えていたのか見受けられる資料としては面白い。

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機械はいつも見ていた物よりか少し大型。

ABEのロゴとパテントかな。番号が振ってある。分厚い真鍮のメッキ仕上げらしい。

親時計もかなり分厚いのが使ってあって、如何にもフランス製を模している様な重厚さ。500年位平気そう。

向こうで住んでいたアパルトマンは築400年以上経っていたし。そういう設計思想。結構物好きが多い。凝り性。

ドイツ製は合理的でそんな分厚くする必要も無いし100年動けば良いよねって、薄くしたのだと思う。

大切にする様で結構新しい物好き。日本人に似ている。改良が得意。

 

調べるとコイルは切れていなかった。

もっぱら、僅かな電流で1分間に1度、それも数秒だから、通電しっ放しで温まる様な使い方ではないから、そう簡単には切れもしないだろう。
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ただ、状態が状態であったから、歯に屑が挟まって非常に重い。

僅かな力で1分を進める訳で、クズが詰まっては運針しない。

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オーバーホールと言っても、歯車は3つ。

トルクは掛からないから、無給油で円滑に動けばそれで良い。逆に油をくれるとホコリが集って動きを悪くするから、くれない方が良い類の機械。

コイル部分は完全なる電話機の電鈴。

元々、時計塔の機械を親時計として、無電池方式の特許では、電話機のゼネレーター、発電機を使ったもので、それに対しての小時計は、電話機の呼び鈴、即ち電鈴なのである。

この組み合わせは、加入先電話機 対 交換台オペレータの組み合わせと同じで、加入者が発電機で交換台を呼び、繋いでもらう。

交換台は指定された加入者を探して、交換台の発電機で、繋ぐ相手の電鈴を鳴らして呼ぶ。

これで双方が接続される。

とまぁ、こんな様に親時計からは信号を出すだけの役割で、小時計はその信号を貰って動くというのも。

電池を繋いで先方のランプが点くのとなんら変わりない。

ただしかし、この発電機は結構回すのに力が必要で、小時計が増えるに従って、重くなる。

時計塔レベルの大きな機械で回す必要があったと思われるが、実際には有電池方式で完成。となっているから、あまり実用的でなかったのかも知れない。実機は見た事がない。

クレーンも無負荷で回すと危ないというのは、負荷がありきの設計だからである。

発電機も無負荷だと電圧は高く出るが、負荷が強いと電圧降下は大きくなる。タービンが重くなって遅くなるから、もっと燃料を焚べて、規定値迄回す様にする必要がある。f:id:A2laboratory:20220812225247j:image

文字盤裏板も罫書きあり。

この頃は1台ずつ手作り…なのは当たり前だろうけれども、やはり罫書き入れてやっていたら、間に合わなそう気はする。

大きな役所ともなれば、50室はあるのではないかなぁ。廊下や階段フロアにも設けたら、かなりの台数が一気に必要になると思うのだが。

そんな事から試作品みたいな感じがすると思っている。

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組み立て…

機械の一部に逆ネジを使っていたり、凝っている。(ネジ切りが逆目の事)
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ケースに組み立て…

ネジは元々のサビサビに錆止めを塗って戻す。

腐りきっているのだけ交換。

線も高圧ではないから、オリジナルの儘。
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試運転…調整…

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親時計からの信号は自室の沖電氣に入っている。

多分、沖電氣が後継で受け継いだ物と思う。

110(ヒャクトーバン)のジャックがお尻に付いているのも同じ。ケースの留め具も、機械も同じ。

110ジャックは一斉操作ではなく、個別にズレた時の修正用に、発電機を持って来て、ジャックを挿して行うという用途。

最近の小時計では、調整用ネジが出ているから、それを回すか、TICシチズンは、カバーを外して歯車を直接手で回して調整して下さい。との事である。
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動作はしている。しかしながら問題点がある。

元々1分信号式だから、親時計もその様に作ってあるが、世の中は大半が30秒方式が圧倒的に多い。

放送局では1秒式であるが。

そんなで、30秒式が動く様に歯車を作る時に、設計を変えさせてもらっているから、1分間で2分進んでしまうという事である。

それを解決するには、キープリレー、もしくはステッピングリレーを使って、1分間に2信号出る信号を1ステップ進めて、極性反転を掛けて、また次の信号で1ステップ進めて…とやらなければならない。

都合の良いステッピングリレーは今売っていないし、ラチェット型は100Vコイルと大き過ぎる。

機械的に変換装置を作る他なさそうである。

試しにラチェット型を買って、分解してコイルを巻き替えて12V程度で動く様になるものかやってみるのも良いだろうと考え。

 

 

日米で小型のラチェット型があるか見に行ったが無かった。

昔はあった様な気がする。

仕方ない。都合の良いのが見あたらないから、無いなら作るしかない。

8割で爪を切って、4割の歯切りをした歯車を作って、ソレノイドで回して制御する部分を作る事にする。

ボールペンのノック部分の機構を模しても良いが…。
考える。