A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Lambda 28M

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球式のA附B安定化電源を見つけたから買っておいた。

19インチラックマウントの比較的デカいサイズの電源であるが、最大で350V 100mAらしい。

オペレーティング レンジは200-325V間になっている。

最近のパワーアンプが1台入っちゃう位のサイズあるが、単なる電源である。

安定レベルはチャチな球アンプよりかは上質な事は間違えない。

回路図はググっても出てこないが、実機の配線を追って書き出せば良く、6Y6が2本に6SJ7、VR75が入っている。

6Y6をパラって出力制御を、6SJ7が電圧降下監視をしていると思う。

基準電圧をVR75で定めていそう。

大凡検討は付くが、まぁ見てみる事にする。

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引っくり返すとまるでモノーラルのパワーアンプ

6Y6ppかと思うレベル。

しかし電源です(笑)

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ジュークボックスのアンプがちょうど、こんな感じで、文字の振り方もデザインも似ている。

業務用というか、工業デザイン。

裏側になって見えないのにカッコイイっていう。見えない所も凝っている事に惹かれる。

iPhoneもバラすと分かるけど、小さい部品に迄ロゴが入っていたり、凝りがある。

先日、ラジエーターファンが回らなくなって、長く走れない(?)という、ベンツのボンネット内を見せてもらったのだけども、エンジン其の物はカバーで見えなくなっていたが、カバーにもロゴが入っていたり凝っている雰囲気だったが、プラスチックの様な樹脂部品が多くて、昔みたいな鋳物のゴツイ感じではなかった。現代品らしい雰囲気。

ファンはエンジンからベルトで回す方式ではなく、ブラシレスみたいな雰囲気だった。

多分発振器があってステッピングみたいな感じで、温度上昇を検知して回すのだと思うけれども、修理と言っても、一体のユニット交換なのだろうなぁ。まぁそっちの方が手っ取り早いけれども、結局何がどう悪かったのかは、不明な儘な気はする。

モーターコイルが焼け切れたのか、サーボが焼けたのか。どういう故障モードなのか知っておくのも重要に思うが、今はそういう知識は無用な世界になっているのかな。

部品が無くなっても対応出来る技術者が減りそうだ。

まぁ、その頃には廃車にして新しいのを買ってくださいね。っていう事なのだと思うが。

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開腹。

御丁寧に回路図が貼ってあった。昔の物は回路図添付してある物なんだよなぁ。そういえば(^^;;

ミテクレからして壊れそうな要素を感じなかったが、内部も壊れそうな部品がない。

コンデンサもオイルだろうけれども、MIL規格っぽい。

琺瑯抵抗は熱くして使っていると切れる可能性はあるが、相当マージンを多くとってのサイズであろうから、まずまず壊れそうにない。

ソリッドカーボンは±20%以上出ているかも知れないが、そんなに精密ではないから良いだろう。

ダメなら焼けるが、そんな様子もない。
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通電。

175-350V迄の範囲で調整出来た。

若干ガリがあってメーターがピクピクしていたが、暫く回すと安定している。

6SJ7の所に入っている、レギュレーションコントロールは、電流を流した時の電圧降下割合を定めるものと思う。

深くすると安定は良くなるが、その分電圧は上がらなくなる筈である。とりあえず負荷が無いから触らない。

最大で暫く通電して馴染ませておいてみる。f:id:A2laboratory:20220814184328j:image

電源スイッチにも表記はなく、裏面の方が表記が多いと言う(笑)

面はサッパリしている。潔い(笑)

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定電圧放電管はどの位消費しているのか分からないが、20mA位行ってそうな気はする。結構良い感じに良く光るが温まり具合からすると定格よりは少ないはず。

 

ラインアンプやフォノアンプを動かすには最適そう。

下手な電源よりか断然安定の良い音がしそうだ。

実験には簡単に電圧調整ができないから、試作だったら一発ポン入れになってしまうが、まぁそれでも良さそう。

ダメなら6Y6がダンプしてくれるからすぐに電圧は降下するだろう。

807の電源よりかはタフではない気はするが(^^;;

 

どちらにしても、不要になっても部品取り出来る良い部品が乗っているし、面もカッコ良いし(笑)

逆さに置いても、トランスとオイルコンが脚になって水平が出て、球の頭が床に接触しないっていう良い設計。考えてある。流石である。

当時は結構な値段がしたのだろうなぁ(^ω^;;)