A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

SEWの電氣扇 Cat. 2031

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冬になったから電氣扇でも仕入れておくかと壊れたのを譲ってもらったが…風呂敷に包まれて届いたぞい(爆)

小包にしちゃ重いし、風呂敷だけで送るっていうのもまた凄いな。

逆によくぞもっと壊れなかったなと関心してしまう(^ω^;;)

風呂敷は底の部分が擦れたか、電氣扇の重さでなのか、千切れている箇所があったから、ギリギリだった感がある。

蔵から出して其の儘なのか、風呂敷と共に出て来たのか、色々な屑が同封されていて凄い状態。久しぶりに油虫の“巾着”を見た(笑)

まぁまぁ、誰も手出ししないって事は、そんなオマケが多いモンよ(笑)

これを綺麗にするも、また楽しみであるし。

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内側ファンガード(?)が酷くグニャグニャだが、これは付け足した物なのか?

それとも当時の原型なのか?

蔵出し系の同モデルをググると、どうも付いている様だから、オリジナルなのであろう。

溶接でもなく、針金撚りという、何とも時代感。自作品の様な印象もする(^^;;

が、どうもハンダしてあったっぽい?綺麗に外れていてよく分からない。

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茶色の袋打ちはオリジナルであろう。

モーター線は後に交換したらしい。

Marutoyoとケーブルにあるだけで年号は無いから結構古そう。

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モーターは固着が始まっているか硬い、重い。

首振りも同様にガチガチ。回らないだろう。

これで回して焼き付いたらメタルを壊すから修理の手間が増える。

 

ただ、ケーブルを切断する位だから、漏電も考えられるから絶縁試験をしてみると1kVで2000メグ越え。

無限大ではなかったが、漏電はなかった。

という事はモーターかチョークが切れているかな...と思ったが1番で38Ω、2、3、と徐々に抵抗値が増して4番で45Ω出ているから切れていない。巻き直す事なく使えそうだ。

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ほかに持っている睡蓮は7032で、緑のヒマワリ(?)は1万番台かな?

これは2031だからかなり古い部類であろう。

1926年製だとしても、Generalの49X491 ARは1936年製であるから、より古い物になる。

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裏には電線の繋ぎ方が記してあった。

一番下の注意とある欄は、毎年使ヒ始メニモートルノ?ニ??サシマスト工合ヨクマワリマス。

とある。使い始めに油をくれると具合よく回りますという意味かな。

消えて読めない様な、文字自体が分からない様な、微妙な消え具合(; ^ω^)
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少し端子台は割れているが、綺麗な方か。

落としたりされるとバリバリに割れているから、見た目で危険そうな破れ方のは安くても手を出さない方が無難であろう。


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芝浦のモーターの構造は主巻線と補助巻線とで3本出ているが、これは2本しかモーターへ行っていない。

隈取型だから補助にチョークを通して位相を進めてやらないと回り出さないが、どういう事か?

それも1番の位置では直にモーターへ100Vが入る回路で組んである。
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Xの線がなく、渡りになっている?

確認してみる。

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首回りも固着が激しく、抜くのも動かすのも一苦労。

全バラにするのに時間を要した。

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AC引き込みのゴムブッシュが残っている事に気付いた。

柔らかさはないが、ボロボロとする気配もない。オリジナルはこんなに大きいのが付いていたのか…

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配線は裏から出ていないから、コアをケースから出す必要がある。

なんとなくコイルが新しいか?

ホルマルでも黒エナメルでもなさそうである。
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コンデンサで位相を遅らせるのであれば、これを逆さにして使えば、逆転になる。

今回の場合、2本しか線が出ていないから、コアを逆にしてしまうと逆転になってしまう。
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抜くのが難しいと断念される方が多い様であるが、よーく構造を把握し寒い日には十分に余熱してやれば良い。

どうやって組み立てられているのか構造を分析する必要がある。ある程度の工具と作業場は必要であるが(; ^ω^)

修理依頼が多ければジグを作っても良いけど、そんな量あるわけでもないし早上がりの必要もないか(; ^ω^)

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外したコアはオリジナルであろうが、どうやら巻き直しをしている様だ。
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綺麗な仕事であるから、モーター屋の仕事らしい。

3本要りようの巻き方を2本で起動する様にしてある。

良い仕事している。

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特に問題があったわけではないが、袋打ちの方が良いから交換させてもらった。
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入れ方にもコツがあって、ただズドンと入れただけでは入らない。

若干引っ張ってコアがケースの内側に止どまる様にしないとならない。

出過ぎもダメで、良い塩梅の均衡で作られている事が良く分かる。
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コイル側は良くなったから、今度はカチカチの首振り機構。

ドライバが突っ立つ程にグリスがコチコチ気味。

掻き出すというか、削り出す感じで、ほじくり出したら新しいのを詰める。
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カチカチならカチカチの方が綺麗に剥がれて良いかもしれない。

青いなんか良いやつ(?)高かった様な?グリスを詰めておくw
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仮組みしてモーターから生えている線に100Vを入れてみるとスーッと回り出した。

良好。
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羽根は磨けば金ピカになるが、この燻った程度が主張がなくて落ち着いていて良い。

金ピカなのは確かに綺麗であるが、ニセモノかレプリカみたいなクサさを感じるからやりたくない(笑)

本体も再塗装はしない。其の儘でもサビと汚れがあるけど、バフを少し当てたら風合いを残しつつ、深い味のある黒ツヤが上がってきたからこれでよし。

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太い方の網は流石に手曲げはキツイ。

プラハンとで地味にボコボコ叩いて調整。

細い方は一回全部外して手で丸く直してこんなモンかなと縛ってみたところ。
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まだフニャっているけれども、勘弁(; ^ω^)

切り詰めてハンダして封しておく。
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最大で回すと60Wくらいかな。

3か4番で2-30W程度

止まる時も蛇足が長い事続くし、音もしないからシャフトの具合も良い。

 

 

 
 
 
 
 
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