A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

日本ハーク

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自分がこのスピーカーの存在を知ったのは尋常の頃の事で、舎宅の階段下に朽ちた5球スーパーとフォノモーターとこのユニットが転がっていた。

それよりも前に真空管自体の存在は知っていたから、シャーシとレイアウトのミテクレで5球スーパーという事と、3スピードのアラゴ式リムドライブのフォノモーターというのも分かっていた。

然し乍ら、当時はまだ励磁型初で、鳴らし方を知らなかったのは良い思い出である。

その後に当時80過ぎの元技術科教諭に、これの鳴らし方を聞いたのがキッカケに、当時のハークの歴史を知る。

戦前、戦後と憧れであり、絶大なる人気のあった、ワイドレンジ ダイナミック。

戦後もフィールド型を作り続けたが、HiFiの時代と石の時代が来ると、チューニー音響研究所が代理で売る様になって、いつしか姿を消した様だ。
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新たに入手した同モデル。

ロゴのプリント自体が違うのと、柿渋塗りコーンではなく、ケント紙其の儘の様なあっさりした薄い塗り。

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前に入手した方がより古いかも知れない。

最初期に拾った物と同型である。

ただ、エッジがグシャになっているから、これを修繕する。
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糊が良くないのか、フェルトが縮んでしまったのか、全体に内側へ寄ってしまって、ガスケットフェルトがコーンに触っているという状態。
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剥がして伸ばし、これを繰り返し元の位置へ。

溶剤でフレームの塗装も緩くなってしまうし、糊はベッタリで、手がハーク色に染まってしまう(笑)

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乾燥。

少し染みが残ったが、まぁ良しとする。
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ガスケットを伸ばして軽く張り合わせておく。

ダンピングは改善が見られるが、やはりエッジに染み込んだボンドが硬化しているからか、もう一本の様なフカフカ感はあまりない。

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試聴に簡易バッフルとしてSP盤のエンベロープを使ったが、そこそこである。

エッジの硬い方は、少し音圧も低くレンジも狭そうだが、塩梅良くアンプ側で合わせたら良いだろう。

もしくはエッジを鞣しの鹿皮かにした方が余程良さそうだ。

また考えてみる