A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ナショナル T14-R1P pt4

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ボチボチ調べると高圧がかなり低く、ラスタを出すだけの電圧が無く、1X2Bのフィラメントも点火するだけの起電力が無いからオシロで各所を見てみる。

水平発振はしていて、水平出力も動作はしているが、ブースト電圧がB電圧程度で昇圧されず。

同期増幅迄は、高周波の信号が出ているのであるが、垂直回路に入る、C-101複合素子の手前で音声信号が現れ、垂直発振も正常ではない。

カップリングに使ってあるペーパーの絶縁不良。

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とりあえず、高圧が先に出る様に水平出力周りのペーパーコンデンサを交換。

ブーストの所に入っている450V 10μFのチューブラも温まっていたから交換。

リークが多くて発振しない可能性を考えて。

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回路図と照らし合わせると組んであるのと合わない。

赤で記した部分が図上では無接であるが、実際には接になって組まれていた。

標準図と比べると接で良い様であるが(^ω^;;)

頼りになる様な、ならない様な....(^^;;

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通電してみると、静かにシーッと始まったから、1X2Bの頭をドライバーで確認してみると、元気良くアークが飛ぶから高圧良好。

ラスタが出そうだ。それ、イオントラップ ぐるぐるタイムだ(笑)

元あった位置辺りで探してラスタが出た。

明るさは古いCRTだからか、そんなに明るくはないが、まぁ明るくなる。

絵からすると垂直発振が足りない様子である。

垂直部はまだ交換していないから、様子見しながら進めてみる。

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交換してあったOPTであるが、トーンを切り替えると、ヒョー、ピーと盛大な発振を起こして凄い音が出る事が分かった。

まさかとは思うが、終段のgmが低くてエミゲンであったから、発振しなかったなんて事は無かったと思うが、NFBにトーンを入れた、テレビでは珍しい回路に思う。

オーヂオでは普通であるが、ラジオやテレビでは、HiFiを謳い出してからに思う。

正帰還して発振しているから、B-Pを逆接にして解決。

optはナショナルの純正らしいから、サービスマンの仕事か?

それにしては、足りない線を継ぎ足して絶縁テープを半分巻いたり、片脚が止まらない儘に浮かしていたり、少々アマっぽい雰囲気が漂う。


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信号を入れてやると絵は出たが、半分しか発振しておらず、下の部分が上へ現れて多重になっている。

垂直部の不良である。

 

ブライトを可変させると、最大で絵が大きくなり、暗転してしまう。

逆は絵が小さくなりながら暗くなる。

この症状は、CRTのバイアス変化(輝度)で高圧の電圧が可変するから、水平出力かダンパーのエミゲンが考えられる。

しかしながら、球は交換とチェックをしているし、エミッションが足りないとすれば、水平出力か....

 

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水平は安定が良いが、垂直がフラフラとしている。

音声も最大で微かに鳴っている程度で、空きチャンネルでFMかのラジオはかなり大きい音で鳴る状態。

 

暫く通電してみて、垂直のケミコン、ペーパーが結構熱くなったから、漏れが大きい様だ。

音声が小さいのはFM検波のダイオードが不良かも知れない。

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検波は0A70で、触るとガラスがガチャっと半分にいとも簡単に割れてしまう。
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黒く塗装がしてあるらしい。

内部は1N60の大きくした様な具合である。
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検波はゲルマの方が良いだろうと、手持ちの黄色と白帯のに交換してみる。

型番が分からないが、似た様なものと思われ。
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映像増幅の3段のIFTの頭のケース部分が取り外し可能で、1つは入手時から半開き状態であって、ダストコアがケースと繋がっているから、再調整が必要な状態は間違えない。

しかし、スウィープオシレーターは持ち合わせていないし、20mc帯域が出るoscも持っていない。

精々AF止まりだから、絵を見て勘でやる他ない。