A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

AC TRAP

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自作チョークの続編。

以前より作っていたトラップ回路で構成、低周波に乗っかるスパイクノイズをカットしたいというのは結構難しいもので、電源周波数をカットしようとすれば、電圧は出なくなってしまうし、高周波でもないから非常に難しいが、スパイクノイズの間隔が合うか、それ以上をカバーしていれば、おそらく解決する問題と思われるが、当方宅は生憎商業地域で、動力は三相であるし、単相は一般に照明や小型冷蔵庫、そういう類と思われ、インバータによるノイズは、自宅ウォシュレットを除いて目立って回り込んでいない。(最初期に作ったトラップを使用してノイズを防いでいる)

そう言った事もあって、昔ながらの機材を其の儘繋いでも問題は現れない。

マンションやアパートではノイズカットに絶縁トランスや、クリーン電源を使っている方も多い事と思うが、それの意味合いはやはり電源からのノイズ対策かと思う。

メーカーはノイズ対策品として売っているはずで、乃至、周波数変換を売りにしている事と思う。

“音が良くなる”などという抽象的な表現はメーカーはしていないかと思う。しているメーカーも数の中には有るのかも知れないが、良くならなかった場合の保証はどうやってやっているのか気になりドコロ。

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完成した本品。

本品も音を良くする目的ではなく、強力にインバータ、スイッチング系スパイクノイズを取り除こうというのが目的である。

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コイル線径は太いのを巻いているから、電流は流れるが、結構巻いたから発熱を考えて半分位が限度と考えている。
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試しに300W食うアンプで試すとノイズが減っている。

自分で作っておいてナンだが、静かになっている。

 

かと思ったのも束の間。

静かになるのと引き換えに、AC電圧が下がっていたから、ゲインが下がるのは当たり前か。

ギターアンプでも、少し電圧を落とすと音が良くなるという説がある。

今回はかなり巻いたから、フィルタの効果は上がるが、電流を流そうとすると電圧降下で上手く無い。

 

それと実験で分かった事は、無誘導巻きにすると、容量ヘンリー数は下がるが、電流を流して使うと反発し合って電圧降下が大きくなるのかと思って、逆接にしてもう一旦実験してみたが、無誘導巻きにした場合、コア励磁が強まり、コア鳴きが大きくなった。しかし降下電圧は殆ど変わらない。

10V程の電圧降下が起きている。

1割下がると低域が出難くなって聞こえて、ドンとしない印象があり、ある意味で制動の良い様なスマートになった様な雰囲気であるが、磁気抜けしたスピーカーの音の様にも思えて、自分の中では気に入らない。

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両極フィルタを通して、完全を目指したいが為にコイルは2つにしたが、大きい電圧降下は良く無いと分かったから、パラに変更。

これで片極はオープンになってしまった訳であるが、470μHのチョークを詰めて、ACラインからの距離を保つ事にした。

これで300W時には電圧降下は5V程になった。

これより多く流せば電圧降下は大きくなるし、小さければ、電圧降下は無視できる。

試験してみると、何時もは静かな中に、むぅーん、チチチと僅か鳴っていたが、それが消えているし、電気時計が一斉に動作した時に生じる接触子アークのプツッという僅かのノイズが聞き取れない程になっている。

また、プラグへ本機を繋いだ時から、5W程であるが、消費しつつノイズ吸収を始めるから、質の悪いスイッチングのACアダプタを近場で使っても、撒き散らしを抑えられるのではないかと推測。

更に高周波ノイズを逃す場合は、アース線を繋ぐ。(3Pアウトレット使用の場合は、本品をアースして使用の事)

本品は内部回路を有している為に発熱があり、触って温かい程になる。

コイルとコアの絶縁は1kVを印加し2000メグΩ以上ある事を確認しているが、試作品である為、使用のない時は必ずコンセントを抜くか、タップでOFFにする様にして頂きたい。