A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

マツダ VITAVOX

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半壊した(させた)ダイナミックS.Pを手渡されて、“これ直してみて”と腕試し(笑)をされたので挑んでみる。

フィールドFCが外されていて、ボイスVCもコアを外した時にできたと思われる変形と崩れが見られた。

FCは激しく断線していて、外巻きの見える範囲はブチブチと思われる状態。

持って帰るのに、組み立てた。

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解いてみると、緑青を吹いている箇所が複数あり、バラバラと崩れる箇所が多い。

一旦別ボビンに巻き替える。
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全部解いて引き出し線も交換して再び巻き直す。

途切れた部分は継ぎ合わせる。

Magnavoxもやっていたが、抵抗値チェックポイントと継ぎ合わせ部分は紙巻にしておき、巻くテンションで折り返して封をする。f:id:A2laboratory:20210407162223j:image

巻き上がり。オリジナルの絶縁巻紙で仕上げ。

オリジナルは1.5kの表記であるが、1120Ωになってしまったが、数百Tも廃棄になっていないと思うが...?元がどれ位で巻かれていたのかな。まぁ良い。

VCボビンを調整して干渉しない様にするが、紙だから変形は結構痛手。

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センター出ししながら、ビビらない場所を探る。

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虫喰いがあるから、コーン自体が若干斜めになっているのではなかろうか、ボビン当たりの音が特定の周波数で聞こえるから良くない。

それに、低域は出ているが中高域が豊かじゃなく、高域もシャリっとしていて、ドンシャリ気味で、一部コーンを押すと中高域がグーッと出て来る具合だから、やはりVCボビン曲がりであろう。

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FCのコア横に紙を挟んで行って大まか調整。

これでかなり質は良くなって来たが、まだ横にも曲がっているらしい。

そうなると調整が複雑になるから、フレームを叩きながら最終調整。ビビらず鳴る様になった。

60mA50℃定格になっているから、定格通り60mA流すと約70Vだった。4.2W程。

360V程の出る電源トランスを使って、終段UZ42シングルの平滑chに使うと大凡ドロップが50V程で具合良いセットができそう。

ロクハンだから、戦前か戦後間も無い位のラジオセットに入っていたのではないかなと思うけれども、結構高級な部類ではなかろうかなと。

電蓄だったら、もうちょっと大きいのが入っていそうだけど、どうかな。

何にしても、マツダのロゴにVITAVOXとあるのは初めて見た。

英國バイタボックスと東京芝浦 マツダの技術提携品なのか、それとも戦前に流行った“〜VOX”の勢いなのか分からない。

Magnavoxを模した国産のSilvervox等があった。フレームデザインもかなり似ている。

 

とりあえず、これにて完成(o^^o)

 

 

 

ps:直すと思わなかったらしく、どちらにしても不要との事(爆)