A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

三菱テレビジョン 14T-700 (続pt3

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前回、積分回路の具合が良かったオイルペーパーを再度絶縁試験すると、3M程に落ちていて、ダメになったらしい。

しかし相変わらず交換してもダメで、残るAFC部分や水平のオイルペーパーも交換したが変わらなかった。

チューナー内部はチタコンとセラミックで構成されていて、外見上の破損は特になく。

球はエミゲンだったから交換したが、絵のコントラストが上がっただけで、酷いIFズレの様な状態で砂嵐に近い。

更には絵がウネウネと垂直方向が歪んでいる。

チューナー内部のCのショートを考えてテスターで当たってみたが問題ない。Rもズレていなかった。

いやぁ参った。

こうなると他で使っているセラミックとチタコンを調査しなくてはならなくなった。

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物理的なソケット接触不良も考えてゴリゴリやってもダメ。

シャーシ内にハンダ屑が転がってショートしているかと思って叩いて揺すったが画面にも変化なし。

叩いた衝撃でチラつく様だと接触不良が怪しいが、それもないのであるから参った参った(ーー;)

 

一服。

 

 

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ふと横に置いていた電子温度制御のコテを見たら、チカチカと妙に高速な光り方。

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おやおや。プローブを近付けるだけで波形が現る。

どうやらフライバックトランスから出るリーケージフラックスか、電磁波を受けたものと考えられる。

FBTはシールドが施されておらず、鉄板の箱に入れておくところを、あえて外しているから、その必要性を感じさせる結果である。

コテの制御はICだから、直接大きいトリガノイズが加わる様な環境下では誤作動を起こすという事だ。

PCやスマートフォン、民生電子機器は裸のFBTに近付けるとばバグを生じるかも知れない。

 


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結局、IFからV-Det.迄のセラミックを外してチェックしたが、問題なし。絶縁も良い。

ビデオ検波から増幅に入るとチタコンが今度は多用されるから、これもチェック。問題なし。

そもそも音声は出ているから、IF、Det.は問題ないのか...?

困ったなぁと、戻して通電してみると、FBTの方で、ヂヂッと嫌な音がした。

すると如何だろう、何事も無かったかの如く、綺麗に絵が出た。

FBTで何かアーク放電が起きたクサイ音がしたが、埃か何かを焼き切ったかな?掃除はしていなかった。

どちらにせよスコブル良くなってしまった。

何が悪かったのか。

セラミックの脚をハンダし直した訳だが、外れていたり?やはりフライバック周り?

原因分からず、修繕記録に書けず(ーー;)

故障記録を書くのも楽しいのであるが、分からず良くなるのは癪である。

触ったセラミック周りをショートさせてみたり、外してどうなるかみたが、これと言って同じ症状にならなかった。

オシロで波形も調べていたから、似た波形になるか比べたら良いのであるが、これがならない...

映像検波の部分で絵の信号がノイズが多く出ていなかったから、RFかIFの問題とは思うのであるが...

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画像を調整してやる。

具合良い。
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各所をオシロで波形観測を2時間程したが、絵は安定した儘、やはり壊れず。
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IFの球は3BZ6を使っているが、これのエミッションが悪かったから、交換にサービスマン鞄を探したが、BZ6は無く、代わりに古い規格の3CB6がガラ箱にあったから交換してみると、カソードの50Ωから白煙が上がってしまう。

どうやらH-K間絶縁が落ちた不良球だったらしい。まぁガラ箱にあった球だから、gmは良くても何がしか不良だった訳で(^^;;

具合の良い3CB6に交換す。絵のS/Nが少し上がった様である。

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それとチューナーのRFに使っている、4BC8もエミゲンだったから、4BQ7に交換している。

BC8よりか、BQ7の方が若干gmが高い。

そんなで、壊れないのでこれにて完成形。
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フォーカスも良いし解像度も良好。

カンタローは泉君の先祖なんDA!(Parhaps

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チューナーの球にシールドを掛けていなかったり、色々其の儘開け放った状態では、ストリーキングが起こるらしい。

白い文字やコントラストの強い部分が生じた時に黒い尾を引く。
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このタイプは旧式なシャーシ一体化であるから、このまま台に乗せておいても使える。

スピーカーは別に設けても良いし、無くても良い。接続はプラグインだから都合が良く、OPTは内蔵しているから、パーマのユニットを繋ぐだけで良い。

店に置いといたらかなり目立つと思うが、今のこのご時世、街に人が歩いていないから電気代の無駄かな(^^;;