A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

RCA 70-D MI-4975 フィルタのF特を計算してみる

先日70-D用に、ダブルアーム用 イコライザ/ミックスアンプを作ったが、RCAのP.U側には、Vertical/Lateral Filterなる回路を含んでいて、これがMI-11888のNartbデコードの様な機能を持っているのか謎であった。

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有難い事に、マニュアルを頂いたので、時定数をPCで計算させてみる事にした。

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Varticalのみであるが、基本的な通り道は、バーチカルもラテラルも変わりは無いが、入力の結線が異なっている。

実際には、複数のコンデンサが寄せ集まっているが、希望値になる様に容量を加算して使っているだけである。

出力として、下の1〜4がセレクターと同期した特性である。

どれも50c/sか60c/sに山があり、終段のLC構成のハイカットに入ると、急激な谷が出来ている。

30kc迄出力させたが、当時は20kc迄出ていなかったのではないかと推測。SP盤の時代である。

これで行くと、低域が持ち上がっているし、SP盤のEQフィルタになっているとも言えるのだろうか。

そもそも、電源周波数の様な50c/s、60c/s帯を通しても、そんなに深い所迄カッティングされていたのであろうか?

やはりEQというよりかは、フィルタであろうか。

HiFiの時代ではないけれども、Wide-Rangeの時代である事は確か。

音声が聞き取れたら合格の時代ではなく、音楽再生用に使える時代ではある。

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同マニュアルには、周波数特性表があるのであるが、こちらには50c/s〜10kc帯域で記載されているから、これが特性なのであろう。

50c/s付近が持ち上がっていたが、これにはその様な事はないから、P.U自体の減衰を補う意味で持ち上げているのかも知れない。

そう言えば、針先を撫でると、かなりカッチリしていて、低域が出なさそうな雰囲気があった。

盤によっては、アーム本体がブルブルと共振しているのか、震える物があった。

ハムが録音されていると、それがP.U自体の共振周波数に合わさるのか分からないが、とにかく頑丈そうなP.Uである。

 

他には、キャビネットマウント ブースターアンプ、BA-2 シリーズとの表記あり。

ググったら、BA-2Cの回路図が有ったから、それを見る限り、2kc程から上昇するハイパスフィルタが入っているだけだった。(-2.5dB程)

VRの手前にフィルタが組んであるから、推測であるが、VRの角度でハイ落ちするのを補正しようとしたのではないかと考えられる。

使用球の1620は、シャープカットオフの様だから、cグリッドにVRを直付けしても問題ないが、VRを100kにしている点を考えると干渉を多かれ少なかれ起こすのではなかろうか。

色々あるであろうが、BA-2には、EQ機能はなく、所謂ヘッドアンプであった。

似たようなので、BA-21Aという回路があったが、こちらは終段をppに、NFでフィルタが組んである。これがEQかは少し疑問であるが、時定数が組んであるのには間違えない。

BA-2Cとは違って電源は含んでいない。