A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Nakamichi CassetteDeck1

不動品を譲ってもらった。

ナカミチのデッキは初めてである。

東通工の777、Akai GXCシリーズ、A&D、Denon、Technics、Aurex辺りは触った事があるし、幾台かは残して持っているが、アジマスを常に調整出来る構造は初めてで、高さ、アオリも妙な樹脂のネジで調整出来る様になっている。

自動調整する物もあるらしいが、本機は手動のみ。

 

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通電してもモーター音はするがキャプスタンは回らないから、生憎のベルト切れ。

開腹すると嫌なパターン、ベルト溶解。f:id:A2laboratory:20200903133649j:image

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散らばった物も溶け出していて、ユニットを外そうと作業していると、何時触ってしまったか、手が真っ黒、ベタベタという(^ω^;;)
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ドライブユニットは3つのネジで止まっているだけ。非常に単純で修理がやり易くなっている。

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ナカミチは3点止めの箇所が多い様子。

キャプスタン止め兼モーターユニット鈑金も同じく3点止め。

グリスが固着気味だから綺麗に清掃、グリスアップしておく。

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都合の良いベルトは無いから、バンコードで継ぎ合わせて作った。

テンションは弱めであるが、そんな高負荷で回す訳でないから問題ない。

高テンションで張ると、モーターシャフトがガタに早くなって寿命を縮めるから、適当に具合をみて。
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組み直して気付いたが、キャプスタンは左右でサイズ違い。

フライホイルの蛇足の付け方を左右で変えているのか、それともベルトの掛け位置の都合なのか分からない。

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テストすると、巻き取りサイドが止まってしまい、再生が停止する。
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リールドライブは直接モーターに繋がっていて、スリップする構造ではなく、モーターを低トルクで回すやり方。

DCブラシタイプだから、これを無理に止めて使うと、極が少ない場合、強い、弱いとトルクが一定に保てないが、これはその極数が少ない物みたいで、ある一部で止めると回り出さなくなる。

手で回すと結構重いから、固着も相まって弱い部分で止まり易くなっていたかな。

給油してやると良くなって、症状は現れなくなった。

 

キャプスタンベルトを交換したから、速度は再調整。

厚みが変わるだけでも、速度は変わるから、交換して終わりという訳にはいかない。

 

https://youtu.be/LS-3JdpyUKE

 

バックパネルを組み立てていないが、試運転にて動作の様子を。

最近はテープを聞く機会が無いもので、SP盤のコピーテープが手元にあったから聞いてみたけど、あまりアジマスの変化が感じられないかな(^ω^;;)

 

それと、ヘッドパットをキャンセルする様な構造になっている様だが、テープ鳴きが起こる物があった。

それを考えるとワカメになったテープの再生には適していないであろう。

 

 

 

ps:

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120分テープの終盤になると、止まる癖が再発した。

モーターのテンションが弱いらしい。

巻き戻し、早送りの電圧と比べて幾分再生時には低くなっているから、再生時には別回路でテンションを弱くしているとみた。

コネクタのある基板の回路を追うと、近い電圧になる場所ばあったから、この近くのトリマがトルク調整用であろう。

VR501がそれであった。

時計回りにLowになる。

ハイテンションにし過ぎると今度はテープを引っ張り過ぎて、キャプスタンとピンチローラーからテープが反れる原因になるであろう。

良いバランスを見つける他ない。

 

ps:強くすると余計に止まりやすくなった。

逆に弱くすると、止まらなくなった。

具合の良いポイントが微妙であった(^^;;