A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

TD224には問題点がある

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Thorens TD-224 には、ディスク記録面を傷付ける問題点がある。

たまたま、私が入手した機体が不具合を持ち合わせているだけかと思ったが、Youtubeに上がっている幾台かも同じ様な音がしている事から、これは偶然に起きた事柄では無い様である。

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12インチ ディスクの初っぱな部分に、連続した2つの線が入っているのが見える。

何度か再生すると、この線がハッキリとしてくる。

この部分には、僅かな音だがキィキィと非連続的で、なにか擦れ合って、表面上を荒らしてしまい、それが音となる具合で、初めは針先を疑ったが、そうじゃない。

そういえば、キーキー鳴く動作をする時があった.......

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この傷は斜めに入って途絶えている。

なるほど。やはりか。

フェードインアームが掴み上げる時の動作にピッタリの距離が傷になっている事から、悪さしているのはフェードインアームである。
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アームを持ち上げて見てみると、丁度傷の真上が、黄色で囲った、ディスクを掴むテンション用のバネが掛かっている。

ここの掛け金部分が、掴み上げる時にディスク面に接触し、キーキー鳴っていた様なのである。

そのキーキー鳴ったバネの振動が、どうやら盤面に傷となって記録されてしまった様である。

センタースピンドル部の掛け金が鳴っていると思っていたが、ここだったか....

 

布テープを当たる箇所へ貼ってやると、キーキー鳴いていたのがピタリと止んだ。

写真は貼って試した後の様子。

 

青で囲った部分にはネジが2つ並んでいて、掴み具合のクリアランスと機械バランス調整になっている。

ここも微妙な位置であるし、現状で接触した形跡はないが、これがもし接触するとディスクに大きく傷になりそうだから、ここにも緩み止めも兼ねるかなと貼っておいた。

 

224を使っている方で、再生が終わってフェードインアームが掴みに行った時に、キーキー乃至、何らかの音がする場合は、バネが干渉している場合があるから、注意された方がよろしい。

バネの掛け金部分が山になっているから、ここへフェルトを貼るか、リベットを内側に打って、内部で掛ける様にして、山を出さないようにされるかするのが最良と思われ。

手前のネジ部は接触してしまう事は無さそうだが、ネジが緩むと危険だから、ここへもフェルトを貼るかした方が良いであろう。