CRC-82の続編。
無ヒーティング状態にてメガーで1kVを印加するとどの位の絶縁があるのか見たら、大凡20M程だった。
瞬間に青白い閃光が出るが瞬間に収まる。
再度やっても放電は起きない。
逆接でも同じである。
20M出ている時は電圧降下が起きて1kvは掛かっていない。
定めし、瞬時閃光は蒸気の水銀成分が高圧によって、瞬時にプレート乃至フィラメントに吸い寄せられて起きる放電なのではないかと推測。
保護抵抗が無い場合、放電が持続する様にループして、ケミコンを使用している場合は、逆電圧が入った途端に大電流が流れるから、管内でバチチと火花を上げると考えられる。
フィラメントによって、電子の向きが一方に流れる様に誘導される事で整流作用があるが、フィラメントが温まっていない状態では、どちらにも電子が飛び付く事が出来る要素があるのではないかと考えている。
実験1に、5Z3の代わりに動作させられるユニットを作った。
カソードには10μのケミコンが入っている。
これでバチリとやるのか試験した所、スーッと電圧が上がり、5Z3と変わりはない立ち上がりを示した。大凡2秒である。
結果からタイムスイッチは必要ない事が分かった。
1段目が40μF以上になって来ると予熱無しではバチリとやるかも知れない。
実験2
一旦電源を切り、アンプ側のカソードが冷め切らない程度に時間をとって、再通電してみると、82のフィラメント釣り金具とプレート間辺りでアークが飛んだ様な雰囲気があり、ヒューズランプが切れた。
どうやら電流が流れ易い状態からの再投入はラッシュカレントが大きく、逆電圧で放電が始まる可能性がありそうである。
タイマー回路でBを断ったとして、暫くの間をとって接続するのは、電流が瞬間に流れて球の負荷は相当大きい事と考えられる。
コンデンサが大きいのであれば、大きい保護抵抗を入れてドロップさせて、良い頃合いで保護抵抗の両端をショートさせたら良いだろう。
データシートでは、プレートインピーダンス最低50Ωとあり、80と5Z3と互換とある。
5Z3は最低75Ωである。
B-でも良いし、カソードから出た直後にでも良いから100Ωでも入れてやれば球への負荷は減る。
両波だとプレート毎に2つの抵抗が必要になるが、カソードへ入れておけば1つで済む。
電流を流す場合は熱になるが。
ps:マウントポジションがバーチカルかと思ったら、Downの表記。
逆さにして使うのが正しい様である。
ギターアンプが逆さになっているシャーシが多いから、その様に使うのを推奨。
オーヂオアンプでは、なかなか逆さシャーシはそう見られないと思われる。
片方はどうも元気が良いのか悪いのか(^ω^;;)
煌々と上部が光る時と下方になる時と30分かその位の間隔で移動する。
内部の温度変化で水銀の蒸発具合に変化が起きて、放電の良い時と標準(?)とで場所を変えていると言えるのだろうか。
温まり具合は、5Z3よりも触れる感じである。
5Z3は結構熱くなるし、そもそもプレートやフィラメントが82よりも大きい事もあると思われ。
実験的に電圧を下げるとどうなるのか、ボルトスライダーで試すと、90Vを下回ると放電が止まり、急激に電圧が下がった。
フィラメントが4.5Vで動作不全を起こす事から、大凡2.2Vに下回ると電流が流れなくなる。
数mAであれば問題はない事が分かったが、50mA以上を取ろうという場合はフィラメントが灯ってからでないと上手く完全放電が開始しない。
82の立ち上がりが2秒であり、それから数秒は水銀の蒸発が徐々に高まって行くから、傍熱管のセットでないと、其の儘では使えない事が分かる。
また、電源を切ってからの再投入は少なくとも1分以上は待たないとカソードが温まって直ぐに電流が流れ出すから、オーバーになり、バチチとやる事になる。
直熱管の2A3辺りのセットで使う場合はタイマーか、数mAしか始めは流さない様にして、30秒かしてから、保護抵抗を外す様な回路をサーマルリレーで組まないと上手く無い。
扱いが少々面倒な球である。慣れが必要か。