先日作った50BM8シングルを測定してみる。
毎日朝から晩まで通電して遊んだが、特に問題はない。
ラフに聞く分には、6ZP1 AB1の高忠実じゃないドンシャリっぽい...いや、シャリはそんなにない、低音ばかりが良く前に出る、古典的なペントードの古臭い音の方が、耳馴染みは良い。
もっぱら、人の耳の周波数特性はヒネくれているものだから、小さい音ではドンシャリが心地良くフラットに聞こえ、ある程度の音量があれば、フラットに、ライブコンサートレベルでは、逆ドンシャリの、山にするとフラットに聞こえる。
最近のライブコンサートは、フラットで大音量で鳴らしている様で、ドンシャリに聞こえる。
クラシックコンサートは、自然に、アンプしている様に感じさせない努力をしている事であろう。
どちらにせよ、パワーアンプなる物は、本来味付けする部分ではないから、高忠実なフラットで送り出し、前段のコントロールアンプで会場なりの特性に合わせるのが普通である。
一般宅であれば、余程の大音量でなければフラットで問題ない。
逆に相当小さい音では、ラウドネス補正、要はドンシャリにした方が耳の特性上はフラットに来る。
残留ノイズを計測、2mV辺りにホワイトがあるが、スピーカーでは聞き取れない。
上の波形はOSC、信号元、ソース
下がスピーカー出力を見た所
出力トランスの指示通りの配線方では、位相が反転していた。
定めし、NFBを使った際に、逆相で返さないとならないから、それで合わせているのかも知れない。
今回のアンプは出力部にはNFは掛けていない。
3極部のみ、発振防止とゲイン調整にフィードバックさせている。
逆相でも正相でも、初っ端のコーン紙が、前へ進むか、後ろへ進むかの違いで、ステレオで同期していれば、どちらでも判別は付かないであろうが、改修出来るから施した。
スピーカー自体の設計が、あえて逆相になっていたり、色々と種類があるから、この辺りはエンクロージュアーとの設計が含むから、スピーカー内部の結線は変えない方が宜しい。
周波数特性を調べる。
20c/sではかなりレベルが低い。
-6dB下がっている。
50c/sで、-2dB
100c/s以上からフラット。
2kc
10kc
12kc辺りに僅か上昇が見られた。
出力トランスの特性であろう。
今回のoptは何時もの誂えを頼んでいる所のとは違い、放出品を買ったもので、ブランドは不明、詳細も不明であった。
15kc辺りから徐々に下がり傾向。
22kcで-2dB程。
キーンと鳴っているであろうが耳鳴りがあって聞こえない。
最大出力は2W+2W、ステレオ4W 8Ωであった。
一般使いであれば、十分である。
ちなみに、この波形から、インダクタンス負荷のクリップという事が分かる。
下の部分はバイアスのカットオフが働く領域であろう。
出力のある球に対しての、トランスが小さ過ぎる傾向が見られる。
入力感度は200mVあればフルスイングする。
入力Imp.は100k。ハイ受け。
2球 ステレオ パワーアンプ
4石 整流にて使用
終いに...
電源を強化したが、結局フィルムコンやオイルコンを使えば、なんて事ないのであるが、大きいケミコンを使う事で、低域も満足に鳴るし、ボケた雰囲気はない。
トルクがあるのと無いのでは、ピークが入った時に判別がつく。
6BQ5の方が出力は出るが、大差無い。
小さい筐体ながら、結構馬力がある音がしている。