光電管、改良型名称PV30、試作型名称PL-50-Vを持て余しているのは勿体ないから、光学スイッチの実演機を作った。
制御はガス入り真空管であるサイラトロン。
完全なる球式の装置である。
サイラトロンは特性上、交流を入れて使用が可能であるから、内部部品は固定抵抗と可変抵抗、ランプのみで構成している。
ヒーター点火にコンデンサを2つ使用している。
実は朝から捜査4課の刑事が来て、打合せとでごちゃごちゃやっていたら、時間が押してしまって、アンプ作るにも気が入らないし、抵抗だけで動く光学スイッチを作るかという成り行きである。
時間が無いからこれを試作してみるというもの可笑しな事だが、一発動作したから今日の仕事はこれにて終いに出来る(笑)キリが良くて何よりw
モク屋は国営だから、警察としても信頼しているのだろうと思われ。管轄違いの刑事が良く来るけど、エセじゃないだろうなと毎度疑ってかかるけど、今の所エセはいない。
家に上げるのだから、エセじゃ本物を呼ばなくちゃならないし(笑)
今は親戚の工場に吸収されたが、祖父のプレス屋は昔から自衛隊の部品を作っているし、その昔は警察手錠を作っていたり、感謝状だとか試作の手錠が色々残っていたけど、何処に行ったか?
まぁ悪い事は出来ませんな。やらないけど。多分w (オイオイ
手前の丸いのが光電管。
ゲッターではなく、光を感じるセンサー?の様な塗料と思うが、ゲッターに似た色をしたそれがカソードへ引き込んである。
ここへ光を当てると、数十μAという単位で変化する。
この変化をサイラトロンのバイアスに加える事で、On-Offする。
動作中のサイラトロン。
紫に光っているから、ガス入り管でない、一般増幅用の球では完全にダメな球になる。
サイラトロンは、これが正常動作なのである。
加減は出来るが、少しの影ではチラチラとする程度。
影にするとOffになる。
昔の光学トーキー機構に、この光電管が使われた歴史がある。
ソビエト、ロモの16mm映写機は、光電管が入った個別のトーキーアンプがあり、映写機をその上に乗せると丁度、同期する様になっている。
我國では、PL-50が盛んに使われた様であるが、35mmの映写機かも知れない。16mmでは見た事がない。
光学録音のフィルムもやはり、今の映画の様に静かではなく、無音状態でも、ポツポツ、ボソボソと、味のある音がして、フィルムの継ぎ目が粗いと、ボンッと凄い音が鳴るのも独特の特有のものである。
昔の装置は無信号の無音状態でも静かではないのは普通で、結局ノイズがあるのは当たり前であったから、その致し方無いノイズ以上に上回らず、音声が聞けたら凄いという時代があった。
SP盤の時代は幾ら電氣吹込みの低雑音盤であっても、トレースノイズはあるから、完全に静かな時は無い。
トランジスタの製品が現れ出してから、ACハムやノイズが入らず、HiFiが定着。
球を改良したのが石だから、球が劣るのは訳無い。
これを石と同等にしようと頑張る事も出来るが、全て球で努力しようというのは、コスト高になるのは言うまでもない。
ディスクリートで設計したトランジスタアンプは、定めし最高峰で、球アンプはその下である。ノイズレス、超低歪の最高峰を求めるのであれば、トランジスタを選ぶべき。
ここで石と球とを混ぜて使うというのは、結局球を使う意味があまり無い様に感じるから、私は球なら球に拘りたい。
出来れば、通すアンプは全段球で揃えてもらって、初めて球アンプの音と思っている。
HiFiが流行り出した頃が定めしサイレントブームで、静かな扇風機、カチカチ機械音が大きいゼンマイ時計は水晶時計に。
そもそも、家の密閉性が悪いから、外の音というノイズが大きい。
今は機密性の高い家が一般的で、住宅街になると自分の心臓の音が聴こえて来る様な程、音がない。
局にあるスタジオの無響室はもっと凄い静寂であるが、それに似ている雰囲気すらあるお宅があるのは間違えない。
私宅は機密性も悪いし窓は開けっ放しだから、外のアンビエントノイズがあるから、静かではないと思う。
所謂昔の家である。
ゼンマイ時計1台動かしている程度では、私は気にならないが、今の人には耐え難い苦痛かも知れない。(現在3台動かしているが良く眠れる。気にならない)
時代の変化もあるであろうが、神経をピリピリさせている人が多いのも確かである。
球は大らかな気持ちが無ければ使えないと大雑把に思っていた方が良いかも知れない。