A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ALTEC 3000H 修繕ス。

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修繕依頼を受けて、アルテック 3000Hがドック入り。

一方は鳴っているが、ファーと別の音が僅か共振してビビり気がある様子。

ピアノの音が入ると違和感を感じるかも知れない。

もう1本は音圧が低いとの事であったが、届いた時には、殆ど鳴っていない、聞こえない状態であったから、VCタッチか、外れている事と思われる。

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分解はすんなり進み、ヨークを外して、いよいよユニットという所で固着が酷く全く外れない。

前回も外れ難かったが、ヤットコで摘んでやると外れたのだが、甘く見過ぎた。

完全に予想外であった。

ユニット外しに、腕時計用のナメたドライバーをバーナーで熱して鉤爪状のマイナスドライバーを作って、徐々に引き上げようとやったが、思った以上にアルミが母材に食い込んでいるのか、ガスケットが溶けて接着してしまっているのか、全く歯が立たず、最終的には作ったドライバーは折れてしまう。

こういう固着の時は、電気車の車輌修繕の際にも良くあるのだが、とにかく温める。

ヒートガンで温めないと外れないっていうモノが多い。

その感じで温めてもみたが、外れる気配なし。

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設計上では、ヨークとユニットは磁石で一体化していて、交換ユニットはダイアフラム、センターポール、ヨークがユニットになっている。

上記の写真はダイアフラム、センターポールを残した状態で母材から離れない本品である。

尚、両方共に外れない。

共に製造年月は同じスタンプであったから、同一ロットである。

 

さて、どう外すか。色々検討してみよう。それに折角私を選らんでくれたのだから、期待には応えたい。

それと数日で仕事は終わると言ってしまったが、申し訳ない、数日では終わらなそうである。時間を頂ければ幸いです。

今日の所は折れたドライバーで手を負傷してしまったので、衛生的にもちょっと今日は休憩を頂きたい(^^;;