A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/10/17

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本日は時計部門の方を。

預かりの置き時計、調子の良い時は良いのだが、トルクが一定に行かない様で、ガンギの音が大小し、安定しない。
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1年前のドック入りの時もOHしたが、再度バラしてみる。

単なるヒゲゼンマイ外れというだけの症状ではない様子である。
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テンプを調べると天真が摩耗し斜めになっている。

以前のアロンアルファ付した時計屋がテンプのホゾ受けをガタに緩めた為か分からないが、一点支えにならず、面受けになっていた事が振りの妨げになっていた事は間違えない。
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テンプをピンバイスに挟める様にバラして、真出しする。

回して偏りがあればテンプが偏心するし、真受けに面で干渉すれば抵抗になる。

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ヤスリ仕上げで出た金属粉がちょっとでも付くと、摩耗を速める原因にさせるから全て洗う。f:id:A2laboratory:20191017132657j:image

歯の具合とを見て、組み直す。

テンプはヒゲゼンマイとをバラしたから、バランスとで再調整。

僅か手で2番車を押してやるとテンプが振り出したから良好。
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ゼンマイを背負わせ、軽く巻いてやると勢いは強くないが動き続けているから、一先ず良しとする。
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全体的に進み傾向が強く、調整するのが困難な程で、ヒゲゼンマイを既に切ってしまっていて短いのか、それともまた別のことなのか、またしばらく様子見とす。