A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/08/23

youtu.be

以前にもちょっと触れていたのだが、Wurlitzer 1015は、1945年の終戦記念の復興の象徴として作られたモデルでもありながら、当時では最高収納枚数の24曲がセレクトが出来るマシンである。

戦時中は娯楽品の鋳物部品の製造を止められていたそうである。

Jukeboxとは俗語であり、銘板には、Multi Selector Phonograph とある。

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この2モデル程後になって、Zenithのコブラが出現、針圧の軽い高周波バイアス式カートリッジは構造が非常に単純で、耐久性があり、連続再生を要する場合には都合が良い。

更に盤への負担が非常に軽減され、盤の寿命も伸びた。

アームが軽いと裏面からバネで持ち上げてトレースすれば、裏表が再生出来るようになり、裏表で再生出来るようになると、かなり近代的になって来て、7インチ シングルに時代は変わって行く。

次第にコストの掛かる装飾がパネル1枚に変わったり、機械を見せなくして、機械美を省いて機能、音質重視となり、最終的にはカラオケが出来るように。

 

本機はオリジナルのトーンアーム、P.Uではなく、後から改良され、更新された物へ交換されていた。

コブラは発振器を要するから、P.Uはクリスタル型である。

ロッシェル塩だとすると、壊れている物が大半だから、セラミックであろう。


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当時アメリカ サイドも物資不足で、良質な鋳物やメッキが出来なかったとは思うが、ミテクレは、今になっても、そうは思わさない出来栄え。

この内部(裏側)はかなり苦労している様に思える箇所が多々あり、鋳物が砂まじりで、腐食が始まっている場所、木材を継ぎ合わせている部分等がある。

また、アメリカっぽいというか、左右でネジの止まっている位置がバラバラ、それに加えて、ネジを打っている数が多かったり少なかったり、ナットが届かず締めていない場所なんかもある。

製造から74年が経過した内に、何人のオーナーの手に渡っているのか不明であるが、そんな多くない様に思える。推測で、私で4オーナー目と思う。

前オーナーは単に飾りとして置いていただけの様で、鍵が掛かった儘で買い付けた。

タイトルカードもレコードも揃っていて、コインボックスには、5セント、10セント、25セントが入っていたから、輸入して其の儘と思われ。

モチロン、壊れ物であったから、そこそこ安かった。

アンプ部だけS/Nが台座の表記と合わないから、交換しているものと思われるが、型番は同じで、部品取りで交換された可能性が高い。

壊れているという程壊れてはいなかったが、コンデンサが容量抜けをすぐに起こした。

流石スプラグ。容量抜ける迄使用出来るとは。


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このバブルライトもNOMAの新製品で、クリスマスの装飾用途で短いのが売られ、現在でも販売している。

他にはOpen等の看板のネオン代りにバブラーになっているタイプがある。

ガラス管の中には、沸騰石と着色のジエチルエーテルが入っていて、これを減圧し、電球や抵抗の熱を加える事で、低い温度から沸騰し、規則正しくブクブクと泡が浮かぶのである。

一度、このバブラーが沸騰の勢いで割れてイグゾースト部が欠けて壊れ、アメリカから輸入した事がある。

尚、フロントの鍵も輸入して、オリジナルを保っている。

機械はメンテし、アンプも修繕して動いている。
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78RPM盤であれば再生可能なのだが、ちょっと癖ありで、エンド部分がストレートの盤はエンド検知が出来ない場合があったり、制限が色々多いから、どれでも好きなSP盤を入れられるという訳ではないが、まぁ大抵入る(笑)

どうしてもという場合は、エンド検知の調整を変えれば良いのだが、これまた他のレコードとの互換バランスを崩す可能性があるから、まぁ機械式は難しい。

ドーナツ盤の頃になれば、完全にエンドは規格で統一されているから、電磁スイッチにしておけば、どの盤を入れても問題は起きないのだが。

まぁ、そういった各社それぞれの規格だと、整合性が後に取れないと分かって、統一規格となった訳で、これも時代の1つ。

機械をそれぞれのレコードに合わせるのではなく、レコードを統一化すれば、機械が複雑になる事もないと。

時代を感じますなぁ。