A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

精工舎のショートスクエア

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久しぶりの持込み修理依頼品。

珍しいスクエアのダイアルでショートという。

昭和初期か、巻鍵のプレスからすると大正期の様な雰囲気もある。

しかしながら、ケースの金縁が木枠で組んで、金塗りなのは、戦時中か戦後間もない頃の作りにも似ている様に思う。ただ、それだとオキュパイド ジャパンの表記のはずだから、違う様だ。

どちらにせよ古いが、96年のOHしてある様子。

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見てみるとゼンマイのコハゼに付ける棒バネが落ちているから、巻こうとするとバーンと外れそうだ。

危険な状態かも知れない。

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どこにあるか分かるかな。

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バラしてみると、結構修理歴が多かった。
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ゼンマイは外れた後だった。

手が叩かれて痛かったのではないかなと推測(^ω^;;)

機械は丁寧に手入れがされていて、スコブル状態が良い。

ホゾも摩耗がなく、タガネで打った跡もない。

5年かに1度割合でOHを出していたかも分からないが、とにかく状態は最良である。


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バネ棒を掛け直してみたが、折れたのか寸足らずだった。

新しいのは材料を調達しないと無いから、一旦材料待ち。

調達したら、加工して作る。

LISTON SE-13-S シルクコーン スピーカー

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TG竹下式シルクコーンは知っていたけれども、これは大島工業のユニット。

竹下式ユニットは1950年代の無線と實驗に広告があって古い事が伺える。

リストンのユニットをググると1972年のカタログが閲覧できたが、ユニット自体は巷に多く出回っていない様である。

表面はパリッと固くツルッとしていて、ポンポンと良い感じで鳴るが、この口径だから低域はそんなに期待できなそう。

コーン裏はシルクらしい、ザラっとした感じ。

一体成形のフィクスドエッジ。あまりダンピングはない。

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5インチのユニットにゴムのパッキンが付いていて、密閉性を高める為に食い込ませていると考えられる。

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試しにCとVRを挟んで試験。

結構明るくなる。テスラのユニットは指向性がかなり強い様で真正面に来た時に鋭い音がするが、少し外れると位相がズレる様に鋭さがなくなり、急激に暗くなる事がわかった。

クロスオーバーを合わせようにも、位置が変わるとクロスオーバーが変わり難しい。

2m離れた位置で大凡真正面で試聴した感じVRで幾らか上を絞ってやると具合が良い。

ストレートでは、リストン側が明るく、結構細かい音が出て、アルミのダイアフラム程金属的ではないが、かなり応答速度と解像度が高く、シャキッと立ち上がって来るから、絞らないと、かなりキツイ音になる。

 

紙コーンよりか解像度が高く、明るい音がして、アルミのダイアフラム程ギャン付かない、金属クサくない自然な印象。

米軍のベークコーンの通話用スピーカーに似ている雰囲気もする。

 

5μFでは下も出ていて、クロスオーバーが食い気味で中高音に派手な部分を感じる。

少し容量を減らした方が良さそうだ。

Sabaのトゥイーターも気になるが結構高価だ(^^;;

 

trashbox of park.

公園のゴミ箱。

そんなデザインのスピーカーエンクロージュアです。

(笑)


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というのは半分冗談というか、昔何処かの博物館で見た、クランフィルムの移動映画用の可搬型スピーカーボックスがこんな開口だった様な気がする。

多分あれは2Wayではない頃ので、箱の開口に似合わず大きい励磁型のユニットが入っていそうな気がした印象。

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角を全部丸くしたら、コンピュータースペースかな(笑)

此の儘前面にガラスを入れたら最初期のナショナルのテレビかな(笑)

まぁ、スピーカー箱なんですけどね(笑)

 

前々から考えていたサイズとはまるで別物の様に大きくなっちゃって、w450 h960 d324 底面に折返しのバスレフ。

作ろうとは思っていたのだけど、材木を選んで、どうこうやっているだけで日が暮れて...という事を毎日毎日やって、いい加減お金になる仕事をしないと手持ちを売る様になってまた面倒だからと、図面だけ引いて何年放置したか(^^;;

またそれを今更再稼働させるというのも...有難い事に少しながら研究費が工面出来る様になったもので(^ω^;;)

そんなで、初っ端から良い材木は使わなくて良いから、とにかく形にしようと動いた訳であります。

当初の図面ではブラックチェリー指定であるが、集成材でも450x910ともなれば@¥15kはする。

6面で簡単に計算しても、¥75kは行きそうだ。

これが2台だから、一般市販品が高価なのも理解がいく。

特に資金が豊富にあるわけでもなく、失敗してもネネを作った時に使ったラドールで穴埋め也すればどうにか上手く使える様な具合で、気軽(?)にノコを入れられた方が良い出来栄えかもとも思っていたりで(笑)

 

当初は何のユニットを入れようとしていたのか分からないが、10インチのシルバーボックスも1本しかないし、2つ揃ってるのはテスラくらいかな。

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結局テスラを付けてみた。

裏にダンボールを当てがって、簡易密閉箱にしたらどうかと思ったが、思ったよりも低域がスカして、単なるバッフル板の方が低域が豊かな印象。

タンノイと比べると、暗い音に思う。

元は2Wayで組んであったセットだった様で、トゥイーターも同時期に売っていた記憶がある。

そんなでハイが明るくないのも致し方ないかなとは思うが、中高音のパッと明るいソースが入ると今後は暗かった一面が嘘の様に。

生録のライブ盤は特に暗い印象で、現代録音は結構明るい。

 

さてと。とりあえず今日の所はバッフル板迄完成させたが、次は箱にするべく切り出して組もう。

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良い音過ぎて眠くなってきた

なんて事はないか(笑)

疲れただけですな(^ω^;;)

 

TD-224

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1ヶ月位動かしていなかったかな。

手前に物を積み上げ過ぎて手が入らなくなっちゃって。

片付けて動作させてみると、一瞬動き出したものの、ベルトが外れた様な嫌な音がして動作停止。

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プラッタを外して見るとベルトが外れていて、ベルトが外れるという事は、位置の調整不良か、機械的負荷の掛かり過ぎの2点と考えられる。

オートメーションの負荷を掛けると外れるから、ターンテーブル側の不良ではない事は確認。

再度ベルト掛けしても、やはり同じ位置にオートメーションが掛かると外れるから、ベルトの位置的問題かな。

手で負荷を与えて、どうやって外れるのか見てみたが、結構な負荷が無いと外れないが、オートアームを持ち上げる作業は手で回しても、結構重い。

単独では重いから、もしかするとターンテーブルの勢いを少し得ている可能性があるか?

リムは後退するとテンションが掛からなく、滑りになるから、ターンテーブルの勢いを得ているとは考え難いかな。

ベルトを交換して暫く経つし、少し劣化した可能性も考えて、プーリー調整をしてやると外れる事は無くなった。

それと、あえてメビウスの輪にして掛けてみた。

自身は機械工学課の出ではない(電気課である)が、ベルトを掛ける時にメビウスの輪にして使うと2倍長持ちになると聞いた事がある。

昔の天井にシャフトが入って、1つの大きなモートルで全ての工作機を動かしていた時代の事かも分からないが、とりあえずこれで不具合が現る事がないから、これで使ってみる。

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重荷のSP盤でも問題ない。

ただ初っ端にエラーが多かったが、2回目以降は良くなったが、機械の手入れはしてやった方が良いかも分からない。

油の回りとで左右され易い微妙なトルクで動いている設計だから、力任せにガチャガチャやってるジュークボックスとは違うかな。

と言っても、ジュークボックスはエラー少ないというか、無いけど(^^;;

その辺は上手くやってる。

レコカットのシェル

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修理依頼品。

初めはハムと共に音が出ていたが、出なくなったとの事。
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試しに付けてみると確かに音は皆無。

ノイズもない。ミュートが掛かった様な、ショートされている様な静けさ。

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導通は問題無いから、ハンダに問題ありかな。
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見たら結線が間違っていたから、修正。

ピンジャックを挿すとショートループになる結線だった。±が左右でループする結線。

これで逆に音が出てしまうとなると、アームの接点が不良の疑いあり。

もしくは、ピンジャックの接触不良が考えられる。

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試しにバリレラの音を聞かせてもらった。

結構重い。

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SHURE M7Dの3dB以上ゲインがありそうだ。

かなりの出力があって、どんなP.Uの大入力でも歪まない様に無駄にマージンを沢山とって作ったフォノアンプもギリギリ歪みそうである。

バリレラは専用のフォノアンプが有るくらいだから、一般民生機ではSPUと同じくモヂるかも知れない。

定めし、P.Uとアンプ入力の間にEQを入れて使う様な具合が良い様に設計されていそうだ。

WEの4Aリプロデューサーも、7A EQを間に挟む形式である。

そんなで、其の儘使う場合は、Hi入力か、ATTを入れないとピークがモヂるであろう。

歪んでいた方が良いと言う方もいるから、どちらが良いとは言えないが。

低域と中高域にパワーがあって、高域はそんなに伸びは良くない様だが出ている。

低域がガッツリしていてLowを下げてもまだ元気が良い。

M7Dも派手な感じがしたが、バリレラには負ける元気良さ。

針に触ると高周波で発振するのが気になるが、フォノケーブルの容量とでLC発振し易いP.Uなのかも知れない。

発振はオシロで確認するか、最大出力レベルランプで確認する他ない。

自分はランプが点くのと、ツーとデッカリボンが鳴っているのを確認した。

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とりあえずOKだから、銀磨きに洋モクを吸う。

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灰集め完了...
っで、カーリッジをよく見たら、結構粗めなヤスリで削られて、銀の層が無い事に気付く(^^;;

真鍮が裸になってしまっていたから、これでは磨きようがない。折角だしとりあえず、自分の持ち分を磨いておいた(^^;;

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貴族が銀製品、例えば懐中時計とか。あれらを綺麗に白に保つのに嗜好品の葉巻だったりパイプだったりをプカプカやって、その灰で磨くと酸化面が落ちる。

単に暇だからプカプカやっているだけではなく意味があったり。

銀のジッポーもそうやって磨いて使ってる人はのは綺麗である。

銀は柔らかいから、強く擦ると減ってしまうから、減らさない為にも深い繋がりがあって。

ちなみに、シガール(葉巻)、パイプはアルカリ。

シガレットは酸性であります。

 

 

 

 
 
 
 
 
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コロコロ

結構前からアンプ誂えをお願いされていて、ミテクレは気にしないという事で支給されたソケットからして、まな板アンプになるのは検討が付いたが、どういう構成でどういう物にしたいのかが明白ではなく、漠然と良い音で、他のよりも良い音がするのが良いと言う。

これは非常に難しい事で、何を良いとしているのかがまず第一に調べなくてはならない。

ハムが無くHiFiで高忠実度のものを良いと言っているのか、古典的な拡声器の様な具合のナローな物を良いと言っているのか、ディストーションが効いた、歪みバチバチの変調器が良いのか。

これらを聞くと、センター(?)に歌い手が立っている様に感じる?ステレオでリバーブが掛かっているよりかは、モノミックスをして音像を狭くした方が、その様に感じる様子。

しかしモノーラル単発では、平面的なのだという。

しかし、ハムは気になるし、低域も高域も欲しいという。

しかし数十万、数百万もする高級機は使っていて面白くないとの事。

12AX7の使った古い民生機のセットが好みらしい。

そうすると、変調歪みが多い方が面白い音はするが、ステレオでこれが合わせられるかというと、非常に難しい。

であるから、ステレオを狭める為に抵抗で互いを少しミックスしてやれば、左右の応答速度の違いと位相差が少なく出来て、尚且つバラつきも狭まる。しかしステレオ感は薄まる。

更に古いアンプはラウドネスを含んで、オフになっていても他のフィルターがあるし、50年も60年も経てば、コンデンサも抵抗もズレやら特性が変わって来るから、面白い音がしても不思議では無い。

ドンシャリで更にピンポイントで中高域も持ち上げた波打ち特性が恐らく好みなのであろう雰囲気は聞いていて感じる。

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そんなで、長らく部品を集めてからも、やっぱりこうしよう、ああしようとフラフラしていて、実際作るに至らないかなと思った時期もあって、他のお客さんがみえた時に、置いといたのを見つけて、欲しいと言うから、進展もないし頓挫して買うだけ買い集めて在庫になっても困るから、トランスやらコンデンサを譲ってしまった。

それから暫くしたら、進展具合は如何なものか?と問われて、どうしたいのか、明白な答えが返って来ない儘で進んでいない事を伝えると、それなり(?)に進めようというもので、トランス類を再度集める事になった。

とりあえず、もう推し進めてしまおうと、ミテクレは気にしないという事だったから、乗せられるだけ乗せてみて、こんな様で仕上げる事を伝えると、今度はミテクレが気になるとの事で、板を大きくして配置を見たいという。

ミテクレは気にしないとの事だったが.....

400x500の板でも良かったが、それは大き過ぎだろうと思って別案件で切り出して使ってしまって、その後から、それで配置を見てみたいというもので困った。
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とりあえず250x600でこんなのはどうかと送ったが、返事は特に無く、部品を知り合いから譲ってもらった分があるから、それを更に追加したらどうかとという事になっている。

とりあえずは直ぐには進展が無さそうで、作業台もこれで埋まって、部屋も在庫箱の上を歩く様で片付かなく、他の案件もあるから、片付けさせてもらった。

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委託品の売れない物や、やっぱり売らないでキープしておいて欲しいという物も返却されてもらって、少し積み上げていた箱が減った。

それでも床は見えないが。

単に倉庫代わりになっている分は処分か返却し始めた。

奥から、こんなのあったかという部品が続々と出て来て(笑)在庫があるのに更に買っている物だとかも一杯あって、一度総整理しないと在庫管理も出来ていないし、良くない具合。

トランス 追い巻きしてみる

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先日誂えてもらったトランスであるが、フィラメント点火にもう2.5V欲しいから、試しに外紙の上に更に巻いてみた。

1ターン500mV程出たから、5ターン巻いて、負荷6Aに対して2.6V出ていたから良好。

15ゲージが巻いてあったが、手持ち太くて23ゲージしかなかったから4束巻きにしている。

僅か温まる程度である。

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シリースに2.5両波にして5V出る。
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試験。良好。