A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/06/28

色々考えたのだが、21LU8…21Vフィラメントとレスで使うのに具合良い素材である。

これを活かさないのは勿体ない。

そう思って、1:1の電源トランスを巻くのが安価か、1:1の入力トランスを2個巻くのが安価か。

計算すると、1:1電源トランスは少しの余裕を見て20VAとしても20Wのトランスコアだから大きい。

それで、1:1の入力トランスを2つ巻くのを考えると、これは電流が流れないから基本小さいし、安価で済む。

然し乍ら、この巻き方によっては、音の根幹である質に左右するシビアな部分である。

信号の入り口であるから、当然と言ったら当然ではあるから、安価な割に技術を要する代物だ。

材料は安価なのに、超重要という困ったものである。

対して電源は正直、グルグル巻いて、損失が少なければ良いだけの話で、レギュレーションが悪くても最大出力とフラつきが大きくなるだけで、質が根幹から大きく変化を起こすかと言えば、コンデンサで補ってしまえば、誤魔化しは幾らでも効く。そういう物は多いし、そういう設計は普通一般に馴染んでいる。

 

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昔に作った絹巻きOPTは5W型で、このサイズの物を欲する方々は大凡値段が安価であるから求めてくれるのであって、こんな高価な物を巻いた5W程度のOPTなど求めていないのであった。

かと言って、大きいのを巻ける程の太い線が今度は無いから作れないのである。

そんなこんなで、言ってしまえば作ってもどうしようもない代物であるから、これを解体して入力トランスに作り変える。
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絹巻線は手に入らないから再利用して。
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オリジナルのテレフンケンは、z1k:100kであったから、Ratio1:10で巻いてあった。

暫しミソなのは、ループコアのダブルセクションであり、セカンダリ側にctを設けて、小容量のCを挟んで特性の癖を調整していた事である。

z100kともなると、高域に独特の癖が出ても不思議ではないのは巻いて実験していたならばお分かりになるであろう。それの補正であり、発振防止の効果もあると十分考えられる。

今回はそんなに大きく取らなくて良くて、ゲインもあるから、Ratio1:1.3で巻いてみる。

1.3というのは単なる1:1ではなく…経験のミソである(^ω^;;) 


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今回のコアは普通一般のEIであるから、ダブルセクションではないから、代わりにWestrexがやっていた巻き方にする。

線とボビンの関係で1:1.083にしてしまったが、z35k前後あるから、CDPでも余裕であるし、普通一般のカソードフォロアのコントロールアンプであれば、受けられる。

12AX7のプレートフォロア出しでは、インピーダンスが高から低域が落ちる可能性が高い。

が、その様な時代のキット品(?)を合わせる訳でもないし、問題は普通に使う分には起きない筈である。

逆に600Ω出しであれば、ロー出しハイ受けが画一するから良い。

テレフンケンの1k受けは恐らく600Ω受けだと思われるが、余裕を見て軽く受けられる様に多く巻いている筈である。業務用であった事も考えて。

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組み立て試聴したが、特に直に繋いでいた時と変化は感じられない。それで良いのであるが(^^;;

低域も豊かであるし、ハイは少し暗い様にも思えるけど、出ていない事はない。これも以前と似た印象。

試聴では合格としよう。