A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/03/22

ミキサーのテストに、600Ω末端のXLRの持ち合わせが無いから、明日店を回って探してみる。

出来たら600Ωのバランストランスで信号を変換して送ってみるのも良いが、少し考える。

48vファントムが出せる様だから、ガンマイクを繋ぐと、其の儘バランスで受けられるのだろうか。これもやってみる事にする。

 

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カセットデッキの少し大きいかなというサイズに、フォノからチューナー、コントロールカセットデッキパワーアンプを一式にした、これまた究極に合理的なセットの修理を頼まれた。

Victorは球の頃の物が殆どで石になってからの品物は、記憶の限り触った事は無いと思う。

症状としては、まぁまぁ良くあるパターンかなと。

ロジック制御と言っても、gx-z7100の様にICが乗った時代ではさそうであるし、ディスクリートであろうと。

予想通りだったのだけど、この当時の物は良くやってるよね。と、感心する出来栄え。

詰めに詰めた凄い構造をしている。

ナカミチのデッキは出て来る音に驚き、中身を見たらスッカスカで、更に驚くという事もある(笑)

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3面に制御基板がユニットの周りを囲っている。
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基板を外す。

ベルト交換は簡単でないから、そうそうダメにならない設定らしい。

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キャプスタンはオイレスメタルらしいが完全に乾いていた。

ベルトは弾性が薄くなっているから、明日に都合の良いのを見つけて来る。

アカイの様に再生ソレノイドとCueソレノイドが付いている。

アカイは大きいACシンクロナスモーター1つでキャプスタンのホイルを使ってリール台を回していたと記憶。

それもそれで1モーターで合理的だったのだな。

この機体は2モーターである。

東通工のTC777も2モーターだったと思う。

そういや、アカイもナカミチも高級型は3モーターだったかな。オープンみたいに。
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イジェクトが、動き出すと動くが、動かなくなると固着する問題があって。

エアダンパーの歯車が外れているか、壊れていると思ったが、これはグリスの稠度でスリップさせる方式で、外側に給油はされているが、肝心な部分は内側なのである。

従って、誤った部分に給油をしていた様である。

これは分解掃除とグリスを詰めて、グリップも固着しギリギリと嫌な音がしていたから、これも交換する。

グリップは幾つか切って来て試したが、どれも上手くなかった。

滑るか径が合わない、破れる。

それで、ガスの試験用採取チューブを輪切りにして試したら、これが良かった。

シリコーンとも言えない様な、不思議な弾力のあり、耐久耐熱に優れたものである。

理化学用品は高価であるが、其れ相応に質は良い。使い方が異なっているが(笑)

60年か前の赤い不思議なベルトもダメにならないのがあるのだが、それにも似ている様な雰囲気。

やはり燻んだ赤い色をしている。

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開閉は解決したから次。

走行系は実際に通電して試験はしなかったが、グリスが粘っている、ヘッドが汚れている、手入れがされているとは思えない。という具合だったから、何かしら問題を抱えていても不思議ではないから分解してしまった。

ホルダーは外れる。というよりかは、前に開く。という様な具合で、珍しい印象。

アカイはホルダー自体がバラせた。
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ぱっと見で、どうもリール台のアイドラのリム位置が気持ち悪い。

端に寄り過ぎている。

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それで外してみるとやはり組み間違えをしていた。

アイドラを巻き直ししているのは良いが、逆組みは宜しくない。

設計士の意図を感じ取ってやれば、これは凄く気持ち悪い状態。
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Eリングを外してひっくり返して、リムが中央を走る様になった。

これで良い。
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かと言ってリール台の中央をリムが走る事もなく、奥に面一で走る設計らしい。

とりあえずこの部分は元通りに戻して完了。

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ヘッドの汚れは、カバーが開き難い事もあって、手入れが厄介とも言えそうだ。

簡単に触れないから汚れてはいるものの、状態は良い。

簡単に触れると、逆に厄介な事をやってくれる事もある。

であるから、どっちもどっちであるが、触れない方が良いかも知れない。